障害年金とは
病気やケガによって、生活が制限されるようになった場合、一定の条件を満たしていればもらえる国の年金制度です。
障害年金は老齢年金と違い、現役世代の方も受給することができます。
しかし受給要件に該当しているのに請求していないという現実があります。 ぜひ、この制度を利用して、一人でも多くの方が障害年金を受給できるようになればと思っています。
障害等級に該当するかの目安
1級の障害 | 他人の介助を受けなければ、ほとんど日常生活を送ることができない状態 |
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2級の障害 | 必ずしも他人の助けを借りる必要はないが、日常生活が困難で労働することができない状態 |
3級の障害 | 労働が著しく制限を受けるか、労働に著しい制限を加えることを必要とする状態 |
障害年金の種類
障害基礎年金
初診日において国民年金に加入していた人が対象。障害の程度により、1級2級が支給されます。
- 自営業などの第一号被保険者
- サラリーマン・OLなどの第二号被保険者
- 専業主婦などの第三号被保険者
こちらの方々も対象です。
- 年金に未加入であった20歳前の病気やケガにより障害
- 国民年金に加入したことのある人で60~65歳未満の間に初診日のある病気やケガで障害の状態になった場合
障害厚生年金
初診日において厚生年金に加入した人が対象。
障害の程度により、1級・2級・3級・障害手当金(一時金)が支給されます。
1級・2級については障害基礎年金も支給されます。
障害共済年金
初診日において共済年金に加入していたい公務員の人などが対象です。
障害の程度により、1級・2級・3級・障害一時金が支給されます。
1級・2級については障害基礎年金も支給されます。また公務員の人には職域加算もあります。
対象となる傷病例
記載がない傷病の場合も障害の状態により対象になる可能性があります。
眼 | 白内障、緑内障、ぶどう膜炎、眼球萎縮、癒着性角膜白斑、網膜脈絡膜萎縮、網膜色素変性症、糖尿病性網膜症など |
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耳 | メニエール病、感音性難聴、突発性難聴、頭部外傷または音響外傷による内耳障害など |
鼻腔機能 | 外傷性鼻科疾患(鼻欠損による鼻呼吸障害) |
そしゃく・嚥下(えんげ)機能 | 咽頭摘出術後後遺症、上下顎欠損など |
肢体 | 上肢または下肢の離断や切断、外傷性運動機能障害、脳血管障害により後遺症、脳軟化症、重症筋無力症、関節リウマチ、ビュルガー病、脊髄損傷など |
精神疾患 | 認知症、老年性精神病、脳動脈硬化症に伴う精神病、アルコール精神病、頭蓋内感染に伴う精神病、統合失調症、うつ病、双極性障害(そううつ病)、てんかん性精神病、その他原因不明の精神病など |
呼吸器の障害 | 肺結核、じん肺、気管支喘息、慢性気管支炎、膿胸、肺線維症など |
循環器疾患 | 慢性心包炎、リウマチ性心包炎、慢性虚血性心疾患、冠状動脈硬化症、狭心症、僧帽弁閉鎖不全症、大動脈弁狭窄症、心筋梗塞など |
高血圧 | 悪性高血圧、高血圧性心疾患、高血圧性腎疾患など |
腎疾患 | 慢性腎炎、ネフローゼ症候群、慢性糸球体腎炎、慢性腎不全など |
肝疾患 | 肝硬変、多発性肝腫瘍、肝癌など |
糖尿病 | 糖尿病、糖尿病性と明示された全ての合併症 |
その他の疾患 | 悪性新生物(がん)、HIV感染症、悪性貧血、再生不良性貧血など |
障害年金の受給の案件
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- 加入要件
- 初診日において、国民年金や厚生年金保険などの年金制度に加入していたことが必要です。
自営業などの第1号被保険者、専業主婦などの第3号被保険者は障害基礎年金の対象となります。
サラリーマン・OLなどの第2号被保険者は障害厚生年金の対象となります。
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- 保険料納付要件
- 初診日の前日において「初診日の属する月の前々月までの直近12月のすべてが、保険料納付済みか免除を受けた月であること」または「初診日の属する月の前々月までの年金加入月数の3分の2以上の期間が保険料の納付済みか、免除を受けた月であること」
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- 障害状態要件
- 障害の程度が定められた基準以上であることです。
初診日から起算して1年6月経過日またはそれまでに治った日(症状固定日)のいずれか早い方を障害認定日とし、等級判断が行われます。(障害等級の認定にあたっては、国民年金・厚生年金保険障害認定基準に定められています)
請求の種類
障害認定日請求(本来請求)
認定日請求(遡及請求)
障害認定日より1年以上経って請求する場合をいいます。
この場合は障害認定日より3ヵ月以内に作成された診断書と請求前3ヵ月以内に作成された診断書が必要です。
障害認定日に障害状態が認められると障害認定日にさかのぼって受給権が発生し障害認定日の翌月分からの年金が初回にまとめて支給されます。
ただしさかのぼって受け取れるのは最大5年分です。
事後重症請求
障害認定日に障害の程度が軽くて障害等級に該当せず、その後症状の悪化により該当するようになった場合の請求です。この場合は請求前3ヶ月以内に作成された診断書が必要です。
障害状態が認められると請求した月の翌月分から年金が支給されます。
初めて2級により請求
障害等級2級に該当しない程度の障害の状態にあった方に、新たに別の傷病が生じ、65歳に達する日の前日までに、それぞれの傷病による障害を併合して初めて2級以上の障害の状態に該当するようになった場合の請求です。
この場合には、両方の障害についてそれぞれ、請求前3ヶ月以内に作成された診断書が必要です。
加入要件、保険料納付要件は新たに生じた傷病「基準傷病」で確認します。
認定された場合、請求した月の翌月分から支給されます。
障害認定基準
障害認定日に障害の程度が定められた基準以上であること(認定基準)に該当する場合に請求できます。
障害認定基準は傷病や紹介の種類ことに細かく定められています。
障害認定日とは、次の①または②のいずれかの日をいいます。
初診日から起算して、1年6ヶ月を経過した日
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上記①の期間内にその傷病が治った場合には、その治った日
(病状が固定し治療の効果が期待できない状態に至った日を含みます。)