平成29年 全国がん登録 罹患数・率 報告
●結果の概要
1 罹患数及び罹患率
・罹患数
上皮内がんを除く全部位の罹患数は、97万7.393人であった。罹患数の順位を部位別に見ると、男性において罹患が最も多かったのが、前立腺(91.215、16.3%)、次いで胃(89.331、16.0%)、大腸(87.019、15.6%)、肺(82.880、14.8%)、肝(26.576、4.8%)、の順。
女性において罹患が最も多かったのが、乳房(91.605、21.9%)、次いで大腸(66.170、15.8%)、肺(41.630、9.9%)、胃(40.144、9.6%)、子宮(28.183、6.7%)、の順。
・罹患率
罹患率(人口10万対)は771.4だった。年齢調整罹患率(日本モデル人口により調整、人口10万対)は388.9。75歳未満の累積罹患率は、全部位で32.9%。部位別に見ると、男性において累積罹患率は高い順に、大腸(6.5)、前立腺(5.9)、胃(5.8)、肺(5.3)、肝(1.7)。女性においては、高い順に、乳房(8.3)、大腸(3.7)、子宮(2.7)、肺(2.3)、胃(2.0)。
※年齢調整罹患率:もし人口構成が基準人口と同じだったら実現されたであろう罹患率
※累積罹患率:ある年齢までにある病気と診断されるおおよその確率(ただし、その病気と診断されるまでは死なないという仮定のもとでの確率)
部位別年齢調整罹患率は、男性で大腸74.2、胃69.4、前立腺67.9、肺63.2、肝および肝内胆管20.8の順。女性では、乳房97.6、大腸44.7、子宮33.3、肺26.9、胃24.9、の順。
・年齢階級別罹患数及び罹患率
15歳未満の小児に発生したがんは、2.223人。年齢階級(5歳階級)別に見ると、罹患数は、45歳未満及び45〜64歳の割合が、それぞれ4.4%と21.0%で、65〜74歳及び75歳以上では、それぞれ30.9%と43.6%であった。
全部位の年齢階級別罹患率は、男性は、40歳未満の階級では100未満(人口10万対)で低く、60歳以上の階級では1.000を超過した。女性は、30歳未満の階級で100未満であり、65歳以上の階級で1.000を超過した。
・発見経緯
男女計の主要部位の発見経緯を示す。がん検診・健診・人間ドックによって発見された症例の割合が多い部位を並べると、前立腺(25.6%)、乳房(24.7%)、胃(19.5%)、甲状腺(19.3%)、大腸(18.2%)の順であった。市区町村による対策型検診の対象部位である子宮頸癌、肺においても比較的高い割合が観察されている。この割合は、上皮内がんを含むと、子宮頸癌(34.7%)が増大し、最も高くなる。
※詳しくは、厚生労働省HPから閲覧できます。全国がん登録 罹患数・率 報告で検索してください。