がん登録「がん登録等に関する法律(平成25年法律第111号)」
がん登録とは、がんの罹患(病気にかかること)や転帰(最終的にどうなったか)という状況を登録・把握し、分析する仕組みであり、がんの患者数や罹患率、生存率、治療効果の把握など、がん対策の基礎となるデータを把握するために必要なものです。がん対策を推進するためには、正確ながんの実態把握が必要であり、その中心的な役割を果たすのが、がん登録です。
平成25年(2013)年12月に「がん登録等の推進に関する法律」(以下「がん登録推進法」という。)が成立しました。この法律は、全国がん登録の実施やこれらの情報の利用及び提供、保護等について定めるとともに、院内がん登録等の推進に関する事項等を定めており、平成28(2016)年1月1日から施行されています。
・全国がん登録:国・都道府県による利用・提供の用に供するため、国が国内におけるがんの罹患、診療、転帰等に関する情報をデータベースに記録し、保存すること
・院内がん登録:病院において、がん医療の状況を適確に把握するため、がんの罹患、診療、転帰等に関する情報を記録し、保存すること
全ての病院と指定された診療所は各都道府県の登録室へがん患者さんの罹患情報を届出することになります。各都道府県で突合・整理された罹患情報は国(国立がん研究センター)の全国がん登録データベースにおいて、再度、突合・整理されます。また、これらの罹患情報は、市町村から人口動態調査として国にあがってきた死亡情報と突合・整理されます。こうして、国内のがん患者さんの情報を国が一元的に管理することで、がんによる正確な罹患率や生存率等が把握できるようになります。また、これらの登録情報をがんに係る調査研究に活用し、その効果を国民に情報提供します。
この法律の中では、個人情報等の機微な情報も多く含まれるため、情報の保護等についての規定があり、全国がん登録情報等の適切な管理や目的外利用の禁止、秘密漏示等の罰則についても規定されています。