障害福祉サービス等の提供に係る意思決定支援ガイドライン②
●意思決定支援の基本的原則
⑴本人への支援は、自己決定の尊重に基づき行うことが原則です。本人の自己決定にとって必要な情報の説明は、本人が理解できるように工夫して行うことが重要です。また、幅広い選択肢から選ぶことが難しい場合は、選択肢を絞った中から選べるようにしたり、絵カードや具体物を手がかりに選べるようにしたりするなど、本人の意思確認ができるようなあらゆる工夫を行い、本人が安心して自信を持ち自由に意思表示できるよう支援することが必要です。
⑵職員等の価値観においては不合理と思われる決定でも、他者への権利を侵害しないのであれば、その選択を尊重するよう努める姿勢が求められます。
また、本人が意思決定した結果、本人に不利益が及ぶことが考えられる場合には、意思決定した結果については最大限尊重しつつも、それに対して生ずるリスクについえ、どのようなことが予測できるか考え、対応について検討していくことが重要です。例えば、疾病による食事制限があるのに制限されているものが食べたい、生活費がなくなるのも構わず大きな買い物がしたい、一人で外出することは困難と思われるが、一人で外出がしたい等の場合が考えられます。
それらに対しては、食事制限されている食べ物は、どれくらいなら食べても疾病に影響がないのか、あるいは疾病に影響がない同種の食べ物が用意できないか、お金を積み立ててから大きな買い物をすることができないか、外出の練習をしてから出かけ、さらに危険が予測される場合は後ろから離れて見守ることで対応することができないか等、様々な工夫が考えられます。
リスク管理のためには、事業所全体で取り組む体制を構築することが重要です。また、リスク管理を強調するあまり、本人の意思決定に対して制約的になりすぎないよう注意することが必要です。
⑶本人の自己決定や意思確認がどうしても困難な場合は、本人をよく知る関係者が集まって、本人の日常生活の場面や事業所のサービス提供場面における表情や感情、行動に関する記録などの情報に加え、これまでの生活史を家族関係も含めて理解することは、職員が本人の意思を指定するための手がかりとなります。
※その他にも、意思決定支援の流れ、意思決定支援の具体例、意思決定支援計画の作成例などが記載されています。興味のある方はご覧ください。
※神奈川県が作成した「意思決定支援ってなに?」は、わかりやすく解説したものとなっていますのでこちらもオススメです。