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平成30年度介護労働実態調査(介護労働安定センター)

1 全介護労働者の1割は65歳以上(事業所調査)

65歳以上の介護労働者の割合は12.2%で全体の1割を超え、60歳以上では21.6%と全体の2割を超えています。

2 外国人労働者と一緒に働く労働者の印象はプラス評価(事業所調査、労働者調査)

外国人労働者を受け入れている事業所は全体の2.6%と少数。

一緒に働く労働者からは、「職場に活気が出る」、「利用者が喜んでいる」等のポジティブな印象を持っていることがわかりました。

3 離職率は減少傾向(事業所調査)

訪問介護員、介護職員の1年間の採用率は18.7%(前年17.8%)、離職率は15.4%(前年16.2%)でした。

4 増加する介護人材の不足感(事業所調査)

介護サービスに従事する従業員の不足感(大いに不足+不足+やや不足)は67.2%(前年66.6%)。適当は32.4%(前年33.0%)でした。平成25年以降、5年連続して不足感が増加しています。

また不足している理由については、「採用が困難である」が89.1%で、その原因を尋ねたところ「同業他社との人材獲得競争が厳しい」が56.2%と高かった。

5 労働条件・仕事の負担に関する悩みの上位は「人手が足りない」(労働者調査)

労働条件等の悩み、不安、不満では、「人手が足りない」が最も高く54.2%(前年53.0%)、次いで「仕事内容のわりに賃金が低い」39.1%(前年39.6%)、「有給休暇が取りにくい」31.5%(前年34.2%)と続いた。

そのうち、「人手が足りない」と回答した労働者の所属する主な介護サービスの上位は、「地域密着型特定施設入居者生活介護」が78.0%、次いで「介護老人福祉施設」74.7%、「介護老人保健施設」73.4%と施設系(入所型)が上位を占めています。

6 賃金と賞与は年々増加。約7割の事業所が正規職員へ賞与を定期的に支給(事業所調査)

正規職員の所定内賃金は平均234.873円(前年231.161円)で前年より3.712円の増加。管理職の所定内賃金は平均359.357円(前年356.679円)で前年より2.678円の増加。

職員への賞与の支給状況では「定期的に支給している」の回答が最も多く、正規職員への支給は69.6%で約7割、非正規職員への支給は40.4%で約4割でした。

また、支給制度の有無にかかわらず経営状況に応じて賞与を支給している事業所も含めると、正規職員では9割を超え、非正規職員では7割を超えています。

正規職員の平均支給賞与額は598.379円(前年593.438円)で前年度より4.941円の増加でした。

7 勤務先に関する希望(労働者調査)

「今の勤務先で働き続けたい」は57.3%(前年56.9%)で、就業継続の意向が前年度より上昇している。

職種別では、訪問介護員が65.7%(前年65.6)で他の職種と比べ就業継続の意向が最も高かった。

8 介護による離職の不安(労働者調査)

両親や配偶者の介護について「現在、介護している」は11.6%(前年12.3%)、「ここ数年のうちに可能性がある」は29.8%(前年31.8%)でした。

将来、介護に直面した場合、介護と仕事の両立ができるかについて「続けることができる」は全体の1/4にとどまり、「続けられない」「わからない」が多くを占めた。

ただし、勤務先の介護休暇制度等の周知が進んでいたり、有給休暇が取りやすい職場の方が、介護と仕事の両立が可能であると回答する労働者の割合が多くなっています。