「慢性疲労症候群」(Chronic Fatigue Syndrome)CFSについて
厚生労働省HPサイト内検索 関西福祉科学大学 倉恒弘彦
概要
慢性疲労症候群とは、健康に生活していた人が風邪などに罹患したことがきっかけとなり、それ以降原因不明の強い全身倦怠感とともに、微熱、頭痛、筋肉痛、思考力の低下、抑うつ、不安などが長期に続いて健全な生活が送れなくなるという病態であり、CDC(米国疾病対策センター)により1988年に提唱された比較的新しい疾患概念である。
患者数
1999年の厚生労働省研究班(班長:木谷照夫、大阪大学医学部)による疫学調査(名古屋地区4000名を対象、有効回答数3015)では一般地域住民の約0.3%がCFSに該当していた。2004年の文部科学省研究班(代表研究者:渡辺恭良、大阪市立大学)による疫学調査(大阪地区の一般地域住民を対象、有効回答数2742)でも約0.3%がCFSに該当しており、日本における15ー65歳のCFS患者数は約24万人と推定される。
症状
慢性的な疲労感とともに、発熱、リンパ節腫大、咽頭痛などの感染症様症状、頭痛、筋肉痛、関節痛、脱力感などの膠原病様症状、睡眠障害、思考力低下、抑うつ、不安などの精神・神経症様症状などの多彩な症状が認められる。
原因
種々の生活環境ストレスによって引き起こされた神経・内分泌・免疫系の変調に基づく病態であり、免疫力の低下に伴って種々のウイルスの再活性化が惹起され、これを制御するために産生されたインターフェロン(IFN)などのサイトカインが脳・神経系の機能障害を生じていると思われる。
治療
確実に有効な治療法は確立していないが、以下の治療法が試みられる。
抗酸化療法(ビタミンC大量、CoQ10など)、免疫賦活療法(漢方薬など)、向精神薬(SSRI、抗うつ薬、抗不安薬など)、精神療法(認知行動療法)
この文書は最近のものではないようです。新しい情報があるかもしれませんので詳しくは主治医等にご相談ください。
周囲の理解が得られるといいですね