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社会保障の考え方

望ましくないことが発生する可能性のことをリスクという。私たちの人生には、自分や家族の病気、障害、失業、死亡など様々なリスクが潜んでおり、自立した生活が困難になるリスクを抱えている。健康で長生きすることは望ましいことであるが、誰にも自分の寿命はわからないため、老後の生活費が不足するリスクもある。また、将来の経済状況や社会状況の中には予測することが不可能な領域もある。このような、個人の力だけでは備えることに限界がある生活上のリスクに対して、幾世代にもわたる社会全体で助け合い、支えようとする仕組みが社会保障制度である(注1)。

注1:このような生活上のリスクには、将来にどれくらいの確率で発生するのかを事前にわからないものがあり、これを不確実性と呼ぶこともある。こうした不確実性に対して民間保険が対応することは難しいために、民間保険とは異なる仕組みとしての社会保険や、他の諸制度が総合的に社会保障制度として対応することになる。

厚生労働省HP「社会保障を教える際に重点とすべき学習項目の具体的内容」より

 

 

※平成24年版 厚生労働白書 コラム「高齢者は得をしているのか?」

厚生労働省による2009(平成21)年の財政検証によると、1940(昭和15)年生まれの人は、平均して払った保険料の6.5倍の年金をもらうとされている。

では、1940年生まれの人は、他の世代に比べて得をしているといえるだろうか。

1940年生まれの人の親の多くは、低額の老齢福祉年金の受給者であった。現在の高齢世代は、現役時代に親を私的に扶養しながら、自分たちの保険料を納め、社会をつくってきたといえる。

それに対して、1980(昭和55)年以降に生まれた人たちは、親が保険料納付実績に応じた年金を受給していることから、扶養のための経済的負担は、親の世代に比べて軽減されている。

「今の高齢者だけがやたら恵まれていて、現役世代は不幸だ」とは、一概にいえないと考えられる。

 

「巡巡」巡り巡る