「地域高齢者等の健康支援を推進する配食事業の栄養管理に関するガイドライン」について
3 配食事業の栄養管理に関するガイドラインのポイント
ポイント1 適切な栄養管理ができる体制で、商品管理を行う
適切な栄養管理を行うには、特に献立作成、調理、衛生管理等の体制を整えることがポイントになります。(詳しくは、ガイドラインP4「商品管理」をご参照ください)
1 献立作成
▪️対応体制
献立作成は当該技能を十分に有する人が担当します。ただし、事業規模が一定以上(提供食数がおおむね1回100食以上又は1日250食以上の事業者等)の場合、管理栄養士又は栄養士が担当(監修を含む)することが適当です。
▪️献立作成の基本手順 ※これに限定するものではなく、他の合理的な手順でも差し支えありません。
利用者の身体状況、食の嗜好などを把握します。厚生労働省策定「日本人の食事摂取基準」の参照体位等をもとに、エネルギー及び栄養素の給与目安量を設定し、取り扱う食種を決定します。食種ごとに食品構成を設定します。配食以外の食事において不足しがちな食品群のほか、積極的に摂取するのが望ましい食品群をできるだけ取り入れるようにします。栄養価、食品構成、料理構成、調理法、メニューサイクル等の献立作成基準を、食種ごとに設定します。配食の提供開始後に利用者の身体状況と摂取状況の関係について定期的に把握しつつ、PDCAサイクルの要領で献立作成基準の見直しを適宜検討します。
▪️栄養価のばらつきの管理
週に数回程度の利用者も想定して、栄養価のばらつきを一定の範囲内(エネルギー、タンパク質、脂質、炭水化物の量及び食塩相当量について、1食当たりの値が事業者で設定された献立作成基準の栄養価の±20%以内にする等)に管理します。
▪️メニューサイクルの決定
利用者の配食利用頻度や利用者の声を踏まえ、飽きの来ないサイクルとします。
2 栄養素等調整食への対応
医療・介護関連施設と住まいをできるだけ切れ目なくつなぐものとして、エネルギー量、タンパク質量、食塩相当量を一つ又は複数調整した「栄養素等調整食」を取り扱うことが望まれます。
3 物性等調整食への対応
各事業者の実行可能性を踏まえて、飲み込む力が低下している方に対して、ミキサー等を使ったペースト・ムース食や、ソフト食又は「軟菜」の工夫をした「物性等調整食」を取り扱うことが望まれます。
4 調理
事業規模が一定以上等の場合、調理師又は専門調理師が調理を担当することを検討することが望ましいです。
5 衛生管理
食品衛生法等の関係法令を遵守するとともに、大量調理施設衛生管理マニュアルの趣旨を踏まえ、衛生管理の徹底を図ることが重要です。
保存の方法、消費期限内に摂取し終えること等について周知徹底を図ります。
事業者は、配食された食事を利用者等がどのように保存し、摂取しているかについて定期的に状況把握し、利用者側の衛生管理の向上につながる取組を適宜行います。
6 その他
食中毒や火災等、不測の事態により配食を提供できなくなった場合に備えて、他の食品等事業者と代行保証の契約を結ぶ等しておくことが望ましいです。
厚生労働省HP「地域高齢者等の健康支援を推進する配食事業の栄養管理」配食事業者向けパンフレットより
※配食サービスに介護保険の適用はありませんが、自治体が配食サービスを行っている場合があります。大阪市では生活支援型食事サービス事業が行われています。詳細は大阪市のHPをご確認ください。