行動バイアスについて
行動バイアスの例
⚪︎情報過多
複雑な製品や膨大な選択肢を前にすると、消費者は可能な選択肢を無視したり、選択しないことを選択したりすることがある。また消費者は、単純な「目安」や「経験則」に依存する可能性もある。
⚪︎デフォルト効果及び現状維持効果
デフォルトオプションとして消費者に選択肢を一つ提示すると、消費者はその選択肢を選びやすくなる。デフォルトの力は現状維持効果と関係しており、消費者は現状にとどまろうとする強い傾向を持つ。
⚪︎保有効果
消費者はあるモノを入手するとき以上に、それを手放す際の対価を多く求めることがある。消費者には損失回避傾向があり、そのモノが消費者の保有物となると、消費者にとってのそのモノの価値が高まるためである。
⚪︎アンカリング効果
消費者は、自分が最も重要だと思う情報を中心に、意思決定を固定する。これは、追加の情報が提供されても、消費者が提案の価値に対する認識を十分に調整できないことを意味する。
⚪︎フレーミング効果
消費者は、情報の提示方法に影響される。ある特定の方法で選択肢を提示すると、消費者は特定の基準からその選択肢を評価する場合がある。
⚪︎プライミング効果
消費者が宣伝等に絶えずさらされると、一部の特性が消費者の決定に過度の役割を果たす場合がある。プライミングは、一部の特性を目立たせることで、選好に影響を与える可能性がある。
⚪︎自信過剰
消費者は何らかの行動の結果として、自分が予期される平均的な結果よりも好ましい経験をする可能性が高いと考える傾向がある。例えば、多くのドライバーは、自分は平均的な人よりも安全であると考える。
⚪︎誇張された割引(現在バイアスとも呼ばれる)
消費者は、将来の時間よりも、現在の方がはるかに価値があると考える傾向がある。これは、強制されないと、退職後の蓄えが少なくなるようなことを説明できる。
⚪︎時間的不整合性
消費者は、短期的な衝動と長期的な利害の矛盾により、時間をまたいで一貫性のない選択を行うことがある。
⚪︎社会規範及び文化規範
多くの場合、消費者は特定の社会やグループの価値観、行動又は期待によって導かれる。例えば、人々に他人のしていることを認識させると、個人の根底にある動機を強化できる。
令和6年版 消費者白書より