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高齢者向け住まいにおける消費者保護について

厚生労働省では、高齢者向け住まいについて、「老人福祉法」(昭和38年法律第133号)第29条第1項の規定に基づく届出を推進するための都道府県等の取組を推進し、規制を的確に運用しています。また、事業者に対し前払金の保全措置を徹底するよう指導するとともに、事業者の廃業等の実態把握と廃業時等の入居者の居住の確保を図るための運用を引き続き求めています。さらに、入居希望者が高齢者向け住まいの検討・選択をする際の参考となるよう情報提供の充実を図っています。

このほか、「令和4年度有料老人ホームを対象とした指導状況等のフォローアップ調査」の結果を踏まえ、都道府県等に対して届出促進・指導等の徹底を要請しました。加えて、2023年度も同様の調査を実施しました。

 

令和6年版消費者白書より

 

※「令和5年度有料老人ホームを対象とした指導状況等のフォローアップ調査(第15回)」結果

本調査においては、老人福祉法(昭和38年法律第133号)に基づき、施設名称や管理者などを届け出ることを義務付けられていれう有料老人ホーム(※)に該当しながら、届出が行われていない施設(いわゆる「未届の有料老人ホーム」)について、都道府県、指定都市及び中核市(以下「都道府県等」という。)に対して、届出や指導状況等の調査を行いました。

(※)有料老人ホームは、老人福祉法第29条第1項に基づき、高齢者を入居させ、食事の提供、介護の提供、家事の供与、健康管理のいずれかのサービスを行う施設をいう。

調査の実施に当たっては、未届の有料老人ホームに関する情報を幅広く収集し、報告してもらうため、有料老人ホームの届出先の都道府県等だけでなく、市区町村の地域包括センターや生活保護部局等の関係部局と連携して情報を収集するとともに、現在施設に対して実態調査を行なっている又は今後実態調査を行うために、報告時点では有料老人ホームに該当するか判断できる段階に至っていない施設も報告対象としています。

その結果、令和5年6月30日時点で、

・届出された有料老人ホームの数は16.543件(前年度15.928件)

・未届の有料老人ホームの数は604件(前年度626件)

・有料老人ホーム全体に占める未届有料老人ホームの割合は3.5%(前年度3.8%)

となっています。

なお、前年度未届であった有料老人ホーム626件については、令和5年6月30日までに63件が届出され、また、49件が有料老人ホームに該当しなかったもの等であることが確認されました。

また、未届の有料老人ホームに関する調査にあわせて、前払金の保全措置の実施状況の調査も行いました。

その結果、有料老人ホーム16.543件のうち、前払金を徴収している老人ホームの数は2.296件であり、このうち、保全措置を講じていない有料老人ホームの数は52件(前年度41件)、前払金を徴収している有料老人ホームに占める保全措置を講じていない有料老人ホームの割合は、2.3%(前年度1.8%)となっています。

上記の結果を踏まえ、未届の有料老人ホームに関する実態把握や届出促進に向けた取組の徹底、入居者の処遇等に関する指導を強化するため、厚生労働省では、6月28日付けで、都道府県等に対し、

1)未届の有料老人ホームについて速やかに実態把握を行い、有料老人ホームに該当する場合には、早急に届出を行うよう指導するとともに、入居者の処遇等に関する厳正かつ適切な指導監督を徹底すること

2)未届の有料老人ホームの徹底した実態把握を進めるため、関係部局や市区町村と引き続き連携を図るとともに、届出を促進するため、届出制度の周知を図るなどの取組みを強化すること

3)前払金の保全措置が義務付けられているにもかかわらず、保全措置を講じていない有料老人ホームの事業者に対しては、改善に向けて重点的に指導・監督を行うこと。なお、検査の拒否や改善命令に対する違反等を行なった場合は、罰則の適用も視野に入れ、事業者に対してより厳正な対応を図ること

を求める通知を出し、更なる指導監督の徹底を要請したところです。

 

厚生労働省 Press Release 令和6年6月28日