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令和6年7月3日付厚生労働大臣会見概要(財政検証について)

記者:

つい先ほど年金の財政検証結果が公表されましたが、そちらの受け止めと、今後の制度改正をどのように進められていくか、それから今回国民年金の納付期間が45年から見送る方針とのことですが、その判断に至った理由についてあわせてお願いいたします。

武見大臣:

まず公的年金の「財政検証」ですが、国民年金法及び厚生年金保険法に基づき、少なくとも5年ごとに、概ね今後100年間の公的年金財政の見通しについて作成し公表するものです。今回もそれに則って発表されました。令和6年の財政検証については本日7月3日、社会保障審議会年金部会において公表したと承知しています。その結果については、近年の女性や高齢者の労働参加の進展や積立金の運用が好調であったことにより、5年前の前回の財政検証の結果と比べ将来の給付水準が上昇し、将来の経済成長率を高いものから1人当たり成長率がゼロのケースまで4つのケースにわけて検証したもののうち、1人当たりの成長率をゼロと見込んだケースを除いた3つのケースにおいて、将来にわたって所得代替率50%を確保できることが確認されました。この結果を踏まえれば、公的年金制度の持続可能性が確保されていることが改めて確認できたと私は思います。今後は今般の財政検証の結果も踏まえて、社会保障審議会年金部会において年末に向けて取りまとめていただくということになっておりますので、年金はやはり国民の生活に密接に関わる問題ですので、年末までに丁寧に、しっかり議論させていただきたいと思います。

記者:

納付期間延長の見送りの判断についてはいかがでしょうか。

武見大臣:

基礎年金の給付水準については、被用者保険の更なる適用拡大等を通じた改善は必要だと考えています。ただ、本日公表した今回の財政検証及びオプション試算の結果を踏まえると、次期改正において、基礎年金の拠出期間を延長し、国民に追加的な保険料負担を求めてまで給付水準を改善する必要性は乏しいという受け止めをしました。

 

※所得代替率:年金を受け取り始める時点(65歳)における年金額が、現役世代の手取り収入額(ボーナス込み)と比較してどのくらいの割合か、を示すものです。たとえば、所得代替率50%といった場合は、そのときの現役世代の手取り収入の50%を年金として受け取れるということになります。

公的年金において単純に「所得代替率」といったときには、モデル年金の男子の平均的な手取り賃金に対する比率を意味します。

 

厚生労働省HP「将来の公的年金の財政見通し(財政検証)」