高齢者等終身サポート事業者ガイドライン(主なポイント)
⚪︎病院への入院や介護施設等への入所の際の手続支援、日用品の買物などの日常生活の支援、葬儀や死後の財産処分などの死後事務等について、家族・親族に代わって支援する、「高齢者等終身サポート事業」を行う事業者が増加してきている。
⚪︎この事業は、死後のサービスを含み、契約期間が長期であること等の特徴があることから、利用者保護の必要性が高く、事業者の適正な事業運営を確保し、事業の健全な発展を推進するとともに、利用者の利用の安心等を確保していくことが必要。今後、事業のニーズの増加が見込まれる中、業務の内容が民事法や社会保障関係法に広くまたがることから、遵守すべき法律上の規定や、留意すべき事項等を関係省庁横断で整理し、ガイドラインとして提示する。
全般的な事項
⚪︎事業者の適正な事業運営を確保し、高齢者等終身サポート事業の健全な発展を推進し、利用者が安心して当該事業を利用できることに資するようにすることを目的とする。
⚪︎本人との契約に基づき、「身元保証等サービス」及び「死後事務サービス」を事業として継続的に提供している事業者を主な対象とする
⚪︎サービス提供にあたっては、利用者の尊厳と自己決定を尊重。また、関連する制度等を活用しつつ、利用者の価値観等に基づく意思決定が行われるよう配慮することが重要。
契約締結にあたって留意すべき事項
⚪︎契約締結にあたって、事業者は、民法や消費者契約法に定められた民事ルールに従いつつ、契約内容の適正な説明(契約書・重要事項説明書を交付した説明)を行うことが重要。また、医療・介護関係者等との連携や、推定相続人への説明など、きめ細かい対応を行うことが望ましい。
⚪︎寄附・遺贈については、契約条件にすることは避けることが重要であり、遺贈を受ける場合も公正証書遺言によることが望ましい。 等
契約の履行にあたって留意すべき事項
⚪︎契約の履行にあたっては、契約に基づき適正に事務を履行するとともに、提供したサービスの時期や内容、費用等の提供記録を作成、保存、定期的な利用者への報告が重要(後見人にも情報提供が重要)。利用者から前払金(預託金)を預かる場合、運営資産等とは明確に区分して管理することが望ましい。なお、履行の際にも医療・介護関係者との連携が重要。
⚪︎利用者からの求めがあれば、利用者が契約を解除する際に必要な具体的な手順等の情報を提供する努力義務を負う。
⚪︎利用者の判断能力が不十分となった場合、成年後見制度の活用が必要。成年後見人等が選任された後は、契約内容についてもよく相談することが望ましい。 等
事業者の体制に関する留意事項
⚪︎利用者が安心して利用できるよう、ホームページ等を通じた情報開示、個人情報の適正な取扱い、事業継続のための対策、相談窓口の設置に取り組むことが重要。
関連する制度・事務に関する政府の取組
⚪︎高齢者等終身サポート事業者が行う金融機関の手続及び携帯電話の解約について、調整を行うとともに、今後、様々な場面で高齢者等終身サポート事業者の活用が見込まれる関連業界や自治体へのガイドラインの周知を行う。
⚪︎高齢者等終身サポート事業の利用状況等を踏まえ、関係する制度(重要な治療方針に関する関わり方、介護保険外サービス、死亡届、成年後見制度)の見直し等の検討を進めるほか、ガイドラインの普及や関連制度の検討状況を踏まえつつ、認定制度等について検討する。
消費者庁HPより