問 就職面接の際に、仕事と関係するとは到底思えないプライベートな事項に踏み込んで質問され、すごく嫌な思いをしました。このような質問は許されるでしょうか?
A 企業には採用の自由が保障されています。また、採用面接のやり方について法律その他による特別の規制はありません。どのような態様で、どのくらいの時間で、どのようなことを聞いたり調べたりすることについての細かい規制はありません。
しかし、応募者の基本的人権を尊重したうえで、応募者の適性や能力のみを採用選考の基準とする公正な採用選考の観点からも、応募者の適性や能力とは無関係のことを聞くということは、家族状況や生活環境といった、応募者の適性や能力とは関係ない事柄で採否を決定するなどの就職差別につながるおそれがあります。
面接を受ける学生や求職者の側からすれば、不利な取扱いを受けるおそれを懸念して、そのような質問がなされたときに抗議することは困難かもしれません。そのような場合であっても、今後そのような就職面接が繰り返されないように、ハローワークに啓発指導を行うよう求めることができます。
「労働条件に関する総合情報サイト 確かめよう労働条件」より
※応募者から「本人の適性・能力以外の事項を把握された」と指摘があったもののうち、「家族に関すること」の質問が多くを占めています。面接の空気を和らげるために聞いてしまうケースが多いようですので、注意しましょう。
公正採用選考特設サイトより
参考 厚生労働省HP「公正な採用選考について」
※令和6年4月より、募集時等に明示すべき事項が追加されます(職業安定法施行規則の改正)
求人企業・職業紹介事業者等が労働者の募集を行う場合等には、募集する労働者の労働条件を明示することが必要ですが、令和6年4月1日からは、新たに以下の事項についても明示することが必要になります。
1 従事すべき業務の変更の範囲
2 就業の場所の変更の範囲
3 有期労動契約を更新する場合の基準に関する事項(通算契約期間又は更新回数の上限を含む)
厚生労働省HP「令和6年4月1日より、募集時等に明示すべき事項が追加されます」