「新たなテクノロジーが雇用に与える影響について」② 2023年度雇用政策研究会 中間整理(概要版)
新たなテクノロジーが雇用に与える影響を踏まえた5つの政策の方向性
1 労使コミュニケーションの深化
・労使コミュニケーションを深化させ、労使双方の納得感を高めながら、新たな技術の円滑な導入を行うことが重要。
・生成AI・AI等の活用促進のため、社内ポータル等を活用した社内コミュニケーションの深化を図ることや、地域の関係団体が参画する地域別や産業分野別の協議体を立ち上げ、技術革新等に対応できない企業や労働者を地域全体で支えることが重要。
2 モニタリング及び情報提供/マッチング機能の向上
・新たなテクノロジーの進展により、求められるスキル・タスクが大きく変わる可能性がある。政府はこうした変化のモニタリングを行うとともに、job tag等において、職業に求められる知識・スキルなどについて広く情報提供を行うことが重要。
・技術変化に合わせて、外部労働市場のマッチング機能の向上が必要となる。ハローワークの就労支援機能の充実と、民間人材ビジネス等におけるHRテクノロジーを活用した機能の向上等が期待される。
3 キャリア形成支援・職業訓練の充実
・技術変化に即した企業内での人材育成を強化してしていくと共に、労働者による自律的なキャリア形成を支援することが重要。
・加えて、産業界のニーズを踏まえた公的職業訓練の充実、デジタル人材育成のための「実践の場」開拓モデル事業、専門実践教育訓練給付における職業能力向上に資するAIを含むデジタル関係講座の拡大、人材開発支援助成金の活用促進、ITスキル標準等の速やかな更新等を通じて、デジタル人材の育成を推し進めていくことが重要。
4 ウェルビーイングの実現に向けたAIの活用促進
・生成AI・AI等の活用の際には、労働者が過度な責任や業務負担を負うことがないよう、働き方改革を同時に進めるなど一層のウェルビーイングに配慮した対応が求められる。
・生成AI・AIについての高度な知識・スキルを有していない労働者であっても活用できるよう、ユーザーフレンドリーなユーザーインターフェースが今後開発されていくことが期待される。
・生成AI・AI等の効果的な活用が、社会全体で進むよう、生成AI・AI等の活用についての好事例を収集し、横展開していくことが重要。
5 テクノロジーに代替されないスキルの深化
・労使でのコミュニケーションを通じて、どのようなタスクを人間が担えば付加価値が高いのか、またどのようなタスクをテクノロジーが担えば効率的になるのかを日々検討し、人間が担う付加価値が高いスキル・タスクの深化を図っていくことが求められる。
2023年度第6回雇用政策研究会資料6