「カミングアウト」と「アウティング」について
性的マイノリティの当事者が、自身の性的指向や性自認について他者に伝えることを「カミングアウト」といいます。カミングアウトするかどうかは、本人の自由意志によるべきであり、カミングアウトしようとするのを止めたり、逆にカミングアウトを強制することは不適切です。
カミングアウトを受けた場合は、落ち着いて話を聞き、受け止めることが大事だと言われています。職場での困りごとなどを相談された場合には、誰に伝えているのか、誰かに伝えてよいのかを確認しておくことも重要です。
性的指向・性自認に関する情報は、本人にとって機微な個人情報であり、本人の意に反して第三者に知られてしまうと、安心して円滑な職場生活を送ることが困難になる可能性があり、場合によっては就業継続が難しくなります。トランスジェンダーの当事者で、職場で「自認する性別」に従って働いている場合などは、戸籍上の性別も他人に知られたくない情報となる可能性があります。当事者本人の意向を確認しておくことが必要です。
本人の同意なく、その人の性的指向や性自認に関する情報を第三者に暴露することを「アウティング」といいます。性的指向・性自認という機微な個人情報を意に反して明かされることは本人にとって非常に苦痛になる(強い不安感や緊張感を強いられる)と言われています。
同僚などからカミングアウトされた場合や、経営者や人事担当者、管理職が、職務上、社員が性的マイノリティであると把握した場合に、たとえ善意であっても、本人の同意なく、その情報を第三者(他の人事担当者、配属先や異動先などを含む)に伝えてしまうことは、アウティングに該当するため注意が必要です。
※カミングアウトは一人ひとりに対して行われることが多くあります。カミングアウトしない(できない)方も日常生活を送るにあたり、さまざまな困りごとに直面する場合があります。
厚生労働省〜性的マイノリティに関する企業の取り組み事例のご案内〜より