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第14次労働災害防止計画(2023年4月〜2028年3月)

「労働災害防止計画」とは、労働災害を減少させるために国が重点的に取り組む事項を定めた中期計画です。

第14次労働災害防止計画が目指す社会

誰もが安全で健康に働くためには、労働者の安全衛生対策の責務を負う事業者や注文者のほか、労働者等の関係者が、安全衛生対策について自身の責任を認識し、真摯に取り組むことが重要である。また、消費者・サービス利用者においても、事業者が行う安全衛生対策の必要性や、事業者から提供されるサービスの料金に安全衛生対策に要する経費が含まれることへの理解が求められる。

これらの安全衛生対策は、ウィズ・コロナ、ポスト・コロナ社会も見据え、また、DX(デジタルトランクスフォーメーション)の進展も踏まえ、労働者の理解・協力を得ながら、プライバシー等の配慮やその有用性を評価しつつ、ウェアラブル端末、VR(バーチャル・リアリティ)やAI等の活用を図る等、就業形態の変化はもとより、価値観の多様化に対応するものでなければならない。

また、労働者の安全衛生対策は事業者の責務であることが前提であるが、さらに「費用としての人件費から、資産としての人的投資」への変革の促進が掲げられ、事業者の経営戦略の観点からもプラスになることが知られ始めている。こうした中で、労働者の安全衛生対策に積極的に取り組む事業者が社会的に評価される環境を醸成し、安全と健康の確保の更なる促進を図ることが望まれる。

さらに、とりわけ中小事業者等も含め、事業場の規模、雇用形態や年齢等によらず、どのような働き方においても、労働者の安全と健康が確保されることを前提として、多様な形態で働く一人一人が潜在力を十分に発揮できる社会を実現しなければならない。

 

⚫︎計画の方向性

・事業者の安全衛生対策の促進と社会的に評価される環境の整備を図っていく。そのために、厳しい経営環境等さまざまな事情があったとしても、安全衛生対策に取り組むことが事業者の経営や人材確保・育成の観点からもプラスであると周知する。

・転倒等の個別の安全衛生の課題に取り組んでいく。

・誠実に安全衛生に取り組まず、労働災害の発生を繰り返す事業者に対しては厳正に対処する。

⚫︎8つの重点対策

1 自発的に安全衛生対策に取り組むための意識啓発

(社会的に評価される環境整備、災害情報の分析強化、DXの推進)

2 労働者(中高年齢の女性を中心に)の作業行動に起因する労働災害防止対策の推進

3 高年齢労働者の労働災害防止対策の推進

4 多様な働き方への対応や外国人労働者等の労働災害防止対策の推進

5 個人事業者等に対する安全衛生対策の推進

6 業種別の労働災害防止対策の推進

(陸上貨物運送事業、建設業、製造業、林業)

7 労働者の健康確保対策の推進

(メンタルヘルス、過重労働、産業保健活動)

8 化学物質等による健康障害防止対策の推進

(化学物質、石綿、粉じん、熱中症、騒音、電離放射線)

死亡災害:5%以上減少 死傷災害:増加傾向に歯止めをかけ2027年までに減少

 

厚生労働省HP「労働災害防止計画について」より