高齢者の健康をめぐる動向について(概要)
1 高齢者の健康について
⑴健康についての心がけについて
⚪︎若いときから健康に心がけている人は健康状態が良い
健康についての心がけ(休養・散歩など)と現在の健康状態について見ると、健康に「心がけている」と回答した人は、健康状態は「良い」と回答した割合が高くなっている。また、健康に健康に心がけ始めた年齢別に健康状態について見ると、40代以前から健康に心がけ始めた人は約半数が健康状態が「良い」と回答しているなど、若いときから健康に心がけ始めたと回答した人は、健康状態が「良い」と回答した割合が高くなっている。
また、厚生労働省が実施した、過去約20年にわたるパネル調査ではスポーツ・健康活動(ウォーキングなど)を50代から行っている人は、「健康状態は良い」と回答した割合が高くなっている。
⑵健康と社会活動への参加について
⚪︎社会活動に参加した人は健康状態が良い
社会活動(健康・スポーツ・地域行事など)への参加の有無別に現在の健康状態について見ると、この1年間に社会活動に参加した人は、健康状態が「良い」と回答した割合が高くなっている。また、別の内閣府の調査において、社会活動に参加したいと思わない理由についてみると、「健康・体力に自信がないから」と回答した人の割合が最も高くなっている。
なお、社会活動に参加して良かったと思うことについて見ると、「生活に充実感ができた」「新しい友人を得ることができた」「健康や体力に自信がついた」と回答した割合が高くなっている。
⑶健康と生きがいについて
⚪︎健康状態が良い人ほど生きがいを感じている
現在の健康状態別に生きがいを感じる程度を見ると、健康状態が「良い」と回答した人ほど生きがいを感じる程度は高くなっており、健康状態と生きがいは非常に強い相関関係が見られる。
2 新型コロナウイルス感染症の拡大による高齢者のコミュニケーション等への影響について
⚪︎コロナ禍により人とのコミュニケーションに変化が生じている
内閣官房が令和3年度に実施した「人々のつながりに関する基礎調査」の調査結果を見ると、コロナ禍により、人と直接会ってコミュニケーションをとることが「減った」と回答した割合が6割を超えている。なお、そのうち、約3割が直接会わずにコミュニケーションをとることが「増えた」と回答している。
また、健康調査の結果では、コロナ禍前のインターネットでの医療機関や病気等の情報収集状況を前回(平成29年度)と比較してみると、インターネットで調べることがある高齢者の割合が大きく増加している。
さらに、別の内閣府の調査によると、「携帯電話・スマホで家族・友人などと連絡をとる」「インターネットで情報を集めたり、ショッピングをする」と回答した割合が次第に高くなっている。
令和5年版高齢社会白書(概要版)第3節<特集>高齢者の健康をめぐる動向について