今後の仕事と育児・介護の両立支援に関する研究会 報告書概要(総論)
少子高齢化が進む中で、社会経済の活力を維持・向上させるためには、生産性の向上を図りつつ、多様な人材が充実感を持って活躍できる環境整備が課題。
◆育児期:女性が出産・育児を機に離職せず就業継続できる支援と希望するキャリア形成支援。育児・家事を男女で分担、共有。
◆介護期:両立支援により、希望に応じた就業の継続や、豊富な技能や経験を持つ年齢層の労働力の確保へ。
⚫︎今後の両立支援制度の検討に当たっての基本的な考え方
ライフステージにかかわらず全ての労働者が「残業のない働き方」となっていることをあるべき方向性として目指しつつ、以下の点を基本として継続的に取り組んでいく。
▪️男女が共に望むキャリアのを実現
・若い世代を中心とした、夫婦で育児・家事を分担することが自然だという考え方に対応していく。
▪️働き方改革の推進
・働き方改革をより一層推進し、職場全体の長時間労働の是正や柔軟な働き方を選択できる職場づくりを進めることが重要。
・職場の誰もが休みやすい職場の体制を構築していくため、多能工化や職場の情報の共有により、業務をチームでシェアすることなどの取組も効果的。
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両立支援制度の使い方について、労働者本人がキャリア形成に関する希望に応じた選択をしても、育児・介護を始め、治療や学び直しなど様々なライフイベントとの両立が可能に。
▪️育児期・介護期の支援
・特に育児・介護の負担の大きい時期に、休業や短時間勤務などを、性別にかかわらず気兼ねなく使えることが重要。
・その時期を超えたあとは、柔軟な働き方によりフルタイムで働きながら両立できるような働き方を促進。
・コロナ禍で広がったテレワークについて、業務に集中できる環境の整備などに配慮しつつ活用促進していく。
⚫︎仕事と育児の両立支援制度の見直しの方向性
✳︎制度の利用状況や、育児・家事負担に男女差が見られる。男性の育児休業取得のさらなる促進のため、制度の活用をサポートする企業や周囲の労働者に対して支援。
✳︎子の年齢に応じた両立支援のニーズの変化への対応
・残業をしない働き方や柔軟な働き方へのニーズへの対応
・小学校就学以降にスポット的に対応できる休暇のニーズへの対応
✳︎障害児や医療的ケア児を育てる親、ひとり親家庭など、多様な状況にある労働者への配慮
⚫︎仕事と介護の両立支援制度の見直しの方向性
✳︎「介護の体制を構築するため」の介護休業制度や、「日常的な介護のニーズにスポット的に対応するため」の介護休暇制度等、両立支援制度の趣旨を理解した上での効果的な利用を促進
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企業において、
・介護に直面した労働者への個別周知
・介護に直面する前の早い段階からの情報提供
・研修等の雇用環境の整備
※具体的な対応方針については、厚生労働省HPをご確認ください。「報道発表資料6月19日」
この報告書を踏まえ、今後、労働政策審議会雇用環境・均等分科会において、引き続き検討が行われます。