「みどりの食料システム戦略」について
我が国の食料・農林水産業は、大規模自然災害・地球温暖化、生産者の減少等の生産基盤の脆弱化・地域コミュニティの衰退、新型コロナを契機とした生産・消費の変化などの政策課題に直面しており、将来にわたって食料の安定供給を図るためには、災害や温暖化に強く、生産者の減少やポストコロナも見据えた農林水産行政を推進していく必要があります。このような中、健康な食生活や持続的な生産・消費の活性化やESG投資市場の拡大に加え、諸外国でも環境や健康に関する戦略を策定するなどの動きが見られます。今後、このようなSDGsや環境を重視する国内外の動きが加速していくと見込まれる中、我が国の食料・農林水産業においてもこれらに的確に対応し、持続可能な食料システムを構築することが急務となっています。このため、農林水産省では、食料・農林水産業の生産力向上と持続性の両立をイノベーションで実現する「みどりの食料システム戦略」を策定しました。(令和3年5月12日)
「みどりの食料システム戦略」2030年目標の設定について(概要)
みどりの食料システム戦略に掲げる2050年の目指す姿の実現に向けて、中間目標として、新たにKPI2030年目標を決定(令和4年6月21日)しました。
Ⅰ 新たに設定する主な2030年目標
⚪︎2050年:化石燃料を使用しない園芸施設への完全移行
→2030年:ヒートポンプ等の導入により、省エネルギーなハイブリット型園芸施設を50%にまで拡大
⚪︎2050年:化学農薬使用量(リスク換算)を50%低減
→2030年:化学農薬使用量(リスク換算)を10%低減
(新規農薬の開発は少なくとも10年以上の時間がかかることから、当面の間、病害虫の総合防除の推進や有機農業の面的拡大等を推進)
⚪︎2050年:化学肥料使用量を30%低減
→2030年:化学肥料使用量を20%低減
(土壌診断等やデータを活用した省力・適正施肥といった施肥の効率化・スマート化の推進、家畜排せつ物等の利用拡大を推進)
農林水産省HP「みどりの食料システム戦略」より