腰痛予防対策について③
<作業別腰痛予防対策>
1 重量物取り扱い作業
・重量物の取り扱い作業については、機械による自動化や台車・昇降装置などの使用による省力化を図る。
・機械を使わず人力によってのみ作業をする場合の重量は、男性(満18歳以上)は体重のおおむね40%、女性(満18歳以上)は、男性が取り扱う重量の60%程度とする。
・荷物は、適切な材料で包装し、確実に持つことができるようにし、取り扱いを容易にする。重量はできるだけ明示する。
2 立ち作業
・不自然な姿勢での作業とならないよう、作業機器や作業台は、作業者の体格を考慮して配置する。
・長時間立ったままでの作業を避けるため、他の作業を組み合わせる。
・1時間に1・2回程度の小休止・休息を取らせ、屈伸運動やマッサージなどを行わせることが望ましい。
・床面が硬い場合は、立っているだけでも腰に負担がかかるので、クッション性のある靴やマットを利用して、負担を減らすようにする。
3 座り作業
・椅子は、座面の高さ、奥行きの寸法、背もたれの寸法・角度、肘掛の高さなど、作業者の体格に合ったものを使用させる。
・不自然な姿勢での作業とならないよう、作業対象物は、肘を伸ばして届く範囲内に配置する。
・床に座って行う作業は、股関節や仙腸関節(脊髄の根元にある関節)などに負担がかかるため、できるだけ避けるようにする。
4 福祉・医療分野等における介護・看護作業
・リスクアセスメントを実施し、合理的・効果的な腰痛予防対策を立てる。
・人を抱え上げる作業は、原則、人力では行わせない。福祉用具を活用する。
・定期的な職場の巡視、聞き取りなどを行い、新たな負担や腰痛が発生していないか確認する体制を整備する。
5 車両運転等の作業
・建設機械、フォークリフト、農業機械の操作・運転による激しい振動、トラック、バス・タクシーなどの長時間運転では、腰痛が発生しやすくなるので、座席の改善、運転時間の管理を適切に行い、適宜、休憩を取らせるようにする。
・長時間運転した後に重量物を取り扱う場合は、小休止や休息、ストレッチを行った後に作業を行わせる。
詳細は「職場における腰痛予防対策指針」をご確認下さい。