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紫外線環境保健マニュアル2020

紫外線は、私たちにとって非常に身近なものです。紫外線は、私たちがカルシウムを代謝する際に重要な役割を果たすビタミンDを皮膚で合成するために必要ですが、同時に、浴びすぎた場合には日焼け、しわ、シミ等の原因となるほか、長年浴び続けていると良性/悪性の腫瘍や白内障等を引き起こすことがあります。

最適な紫外線量には個人差がありますが、正しい知識を持ち、紫外線の浴びすぎに注意しながら上手に紫外線とつきあっていくことが大切です。

※紫外線の強さ

紫外線の強さは、時刻や季節、さらに天候、オゾン量によって大きく変わります。同じ気象条件の場合、太陽が頭上にくるほど強い紫外線が届きます。1日のうちでは正午ごろ、日本の季節では6月から8月に最も紫外線が強くなります。

 

紫外線のうそ・ほんと

世界保健機関(WHO)では「Global Solar UV Index-A Practical Guide」という紫外線に関するガイドブックを出しています。

間違い1

日焼け(サンタン)は健康的である。

日焼け(サンタン)は、私たちの体が紫外線による被害を防ごうとする防衛反応です。

間違い2

日焼け(サンタン)は太陽紫外線を防いでくれる。

その効果は小さく、SPF4程度です。

間違い3

曇った日には日焼け(サンバーン、サンタン)をしない。

薄い雲の場合、紫外線の80%以上が通過します。大気中のエアロゾル(もや)は紫外線ばく露を増加させることがあります。

間違い4

水の中では日焼け(サンバーン、サンタン)をしない

水はわずかな紫外線しか防いでくれません(水深50㎝で地表面の40%)。また、水面の反射は紫外線のばく露量を増加させます。

間違い5

冬の間の紫外線は危険ではない。

一般的に冬の紫外線は弱いが、雪による反射により2倍近いばく露量となります。特に、高い山では顕著です。春先の、気温がそれほど高くない紫外線の強い時は、特に注意が必要です。

間違い6

日焼け止めを塗っていれば、非常に長い時間日光を浴びても大丈夫である。

日焼け止めは、太陽に長時間あたるために使用するのではなく、紫外線を浴びることが避けられないときに、防止効果を高めるものです。紫外線防御は適切な使用によって決まります。

間違い7

日光浴の途中で定期的に休憩をとると、日焼け(サンバーン、サンタン)を起こさない。

紫外線ばく露は一日をとおして蓄積されていきます。

間違い8

太陽の光に暑さを感じない時には、日焼け(サンバーン、サンタン)を起こさない。

日焼け(サンバーン)は私たちが感じることのできない紫外線によるものです。暑さを感じるのは赤外線によるもので、紫外線ではありません。

 

2020年3月改訂版 環境省