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全世代型社会保障構築会議報告書(医療・介護制度の改革)

⑴基本的方向

●超高齢社会への備えを確かなものとするとともに、人口減少に対応していく観点から、医療・介護制度の改革を前に進めることが喫緊の課題である。特に、2025年までに75歳以上の後期高齢者の割合が急激に高まることを踏まえ、負担能力に応じて、全ての世代で、増加する医療費を公平に支え合う仕組みを早急に構築する必要がある。

●同時に、コロナ禍での経験は、今後の高齢者人口の増加と生産年齢の人口の急減を前にして、限りある資源を有効に活用しながら、地域における医療・介護ニーズの増加に的確に対応することの必要性を強く意識させるものとなった。全ての国民が、それぞれの地域において、質の高い医療・介護サービスを必要に応じて受けることのできる体制を確保していく観点から、医療の機能分化と連携の更なる推進、医療・介護人材の確保・育成、働き方改革に力を注ぐとともに、医療・介護ニーズの変化やデジタル技術の著しい進展に対応した医療・介護サービス提供体制の改革を進めていく必要がある。その際、少子高齢化・人口減少などの状況は地域によって大きく異なり、求められる対応も地域によって異なることに十分留意する必要がある。

⑵取り組むべき課題

①医療保険制度

●まずは、増加する高齢者医療費について、負担能力に応じて、全ての世代で公平に支え合う仕組みを構築する観点から、以下の施策を早急に実施すべきである。

医療費保険制度については、今後とも、「全ての世代での支え合い」「世代間・世代内における公平性の確保」「保険者間の格差是正」といった基本的な考え方に沿って、引き続き、給付の在り方、給付と負担のバランスを含めた不断の見直しを図るべきである。

また、医療保険制度において保険者機能を発揮する主体であり、医療提供体制の整備における役割・責務を有する都道府県の役割について検討を深めていく必要がある。

・後期高齢者医療制度の保険料負担の在り方の見直し

・被用者保険者間の格差是正

②医療提供体制

●今後、更なる高齢者の増加と生産年齢人口の急減が見込まれる中で、地域によって大きく異なる医療・介護ニーズや活用可能な資源を一層促進することにより、国民・患者から見て、質の高い効率的で効果的な医療サービスを届けることができるよう、医療提供体制の不断の見直しを図ることが必要である。

●今回の新型コロナの経験を踏まえ、今後の感染症への対応については、まずは改正感染症法に基づき、平時から医療機関の役割分担を明確化し、協定締結医療機関の枠組みが確実に機能するよう準備を進めるべきである。

・サービス提供体制の構築に向けた主な課題

・かかりつけ医機能が発揮される制度整備

③介護

●介護保険は、制度創設以来、総費用が約4倍、保険料が約2倍と医療保険をはるかに上回るペースで増加しており、今後、要介護認定率が高い75歳以上、さらには85歳以上の人口の急増が見込まれる。一方で、生産年齢人口が減少する中で、介護人材の不足が深刻化するおそれがある。

●高齢者ができる限り住み慣れた地域で暮らし続けることができるよう、医療・介護・予防・住まい・生活支援が包括的に確保される体制(地域包括ケアシステム)の深化・推進を図るとともに、制度の持続可能性を確保するため、サービス提供体制や給付と負担の見直し、介護人材の確保が喫緊の課題となっている。

・地域包括ケアシステムの深化・推進

・次の計画期間に向けた改革

④医療・介護分野等におけるDXの推進

●国民目線での医療・介護サービスの提供体制を整備するにあたり、国民一人ひとりの医療・介護ニーズに的確に対応し、最適な医療・ケアを届けることができるよう、最大限、デジタル技術の活用を図るべきである。

・医療・介護分野の関連データの積極的な利活用の推進

・医療DXの実装化

 

内閣官房HP「全世代型社会保障構築本部」