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フィルターバブルとは

「フィルターバブル」とは、アルゴリズムがネット利用者個人の検索履歴やクリック履歴を分析し学習することで、個々のユーザーにとっては望むと望まざるとにかかわらず見たい情報が優先的に表示され、利用者の観点に合わない情報からは隔離され、自身の考え方や価値観の「バブル(泡)」の中に孤立するという情報環境を指す。

米国のインターネット活動家であり、バイラルメディア「Upworthy」の最高経営責任者でもあるパリサー(2012)は、フィルターバブルの登場により、新たな3つの問題が生じてきたと指摘する。

第一に、ひとりずつ孤立するという問題である。例えば、テレビの専門チャンネルでごく狭い分野を取り扱うものを見る場合でも、自分と同じ価値観や考え方を持つ人が他に見ているが、インターネットにおけるフィルターバブルの中には自分しかいない。これにより、「情報の共有が体験の共有を生む時代において、フィルターバブルは我々を引き裂く遠心力となる」としている。

第二に、フィルターバブルは目に見えないという問題である。テレビを見る際には、自分が何を見るかを選択している限り、なぜその番組が選ばれたのか理解しているが、パーソナライズされた検索エンジンによって表示された結果は、なぜそれが選ばれたのかその根拠が明確に示されることはない。フィルターバブルの内側にいると、表示された情報がどれほど偏向しているのか、または情報が偏向のない客観的真実であるのかが分からないことになる。

最後に、フィルタバブルの内側にいることをユーザー自身が選んだわけではないという問題である。テレビや新聞、雑誌を視聴する際、どのようなフィルターを通して世界を見るのかをユーザーは自ら能動的に選んでいる。しかしパーソナライズされたフィルターの場合、自ら選択してフィルターを使用しているのではなく、避けようにも避けにくい状態になっていると指摘している。

広告主にとっては、ユーザーごとにパーソナライズするアルゴリズムを用いることは、顧客獲得コストを低下させる効果的な広告戦略であり、また利用者にとっても自分の好みの情報が少ないエネルギーで手に入るという利点がある。一方で、パーソナライズされたフィルターバブルにより、自分の関心とは異なる情報に触れにくくなり、他の意見が存在することに気づかなくさせる可能性をもたらすとされている。

 

令和元年版 情報通信白書より