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テレワークの導入・運用がもたらす就業への好ましくない影響と関連する要因

テレワークが適切に導入・運用されない場合には、「長時間労働になりやすい」「コミュニケーションが取りづらい」など、テレワークならではの課題が生じやすいことも報告されています。また、近年では、リモート環境下でのハラスメントなど、新たな問題も生じています。

一般に、ストレス要因は「職場のストレス要因」「職場以外の要因」「個人的な要因」に分けられますが、テレワークの主なストレス要因として、以下が挙げられます。ヒアリング調査でも多くの企業から同じようなストレス要因の指摘がありました。

A テレワーク下における職場のストレス要因(例)

対人関係

・上司・同僚等との、何気ない会話や相談がしずらくなり、悩みを抱え込んだり、コミュニケーション不足による孤独感・孤立感を感じたりする。

・特に職場の人間関係が十分に構築できていなかったり、業務を十分理解できていない新入社員や異動のあった者等は、不安やストレスを感じる。

・管理職が、部下の状況の把握や管理に悩む。過度に管理しようとすると、ハラスメント等につながる恐れもある。

職場環境(物理的要因)

・自宅等の作業環境が整っていないため仕事に集中できず、ストレスを感じる。

・自宅等でパソコンや周辺機器が十分でなく、作業効率の低下を招きストレスを感じる。

・自宅等で働く場合の光熱費等、経済的な負担のためストレスを感じる。

仕事の量的な負担

・お互いの働き方が見えづらくなり、役割分担や業務内容が不明確になったり、偏りが生じたりする。

・労働者を現認することができないため、労務管理等が難しくなり、結果として長時間労働に気付きにくい等の問題が生じる場合がある。

・新たな働き方や社会情勢に対応するため、仕事の負荷が過重になる。

適性度

・ICTに苦手意識のある労働者が、テレワーク自体にストレスを感じる。

・ツールをうまく活用できず、業務遂行が非効率になり、ストレスを感じる。

職場環境(心理社会的要因)

・「業務時間外にメールや電話等への対応を要求された」「就業時間中に上司から過度な監視を受けた」等のハラスメントもある。

・テレワークを実施できる労働者とそうでない労働者の処遇や評価について、不公平感や不安を感じる。

 

B 職場以外の要因(例)

家庭環境

・自宅等でのテレワークに対して家庭での理解・協力が得られず、ストレスを感じる。

・一人暮らしの場合の傾向として、疎外感や孤独感等を感じやすい。

ワーク・ライフ・バランス

・通勤がなく、いつまでも業務を行うことが出来るため、仕事とプライベートの区別があいまいになってしまう。

C 個人的な要因(例)

生活習慣・体調管理

・通勤や外出等がなくなることで運動不足に陥ったり、働き方が変わることで生活リズムが不規則となり、食事や睡眠が十分に取れなくなったりする。

・気分転換しにくくなること等が原因で、身体的な体調不良をきたす。

 

厚生労働省「テレワークにおけるメンタルヘルス対策の手引き」