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こころの健康「健康日本21(第二次)」最終評価報告書

目標 気分障害・不安障害に相当する心理的苦痛を感じている者の割合の減少

国民生活基礎調査の調査項目には、うつ・不安症状を評価するK6という自己記入式質問紙が含まれている。K6は6項目で0点から24点の範囲をとるが、そのうち合計点が10点以上の者を気分障害・不安障害に相当する心理的苦痛を感じる者として、その割合を指標にしている。

気分障害・不安障害に相当する心理的苦痛を感じている者の割合は、ベースラインの平成22年(2010)年は、10.4%であり、令和4(2022)年までにその1%減となる9.4%という目標値が設定されたが、直近値である令和元(2019)年の値は10.3%であり、ほとんど変化が認められていない。

目標 メンタルヘルスに関する措置を受けられる職場の割合の増加

職場におけるメンタルヘルス対策については、平成26(2014)年6月の労働安全衛生法改正により、ストレスチェック制度が創設(平成27(2015)年12月施行)され、常時50人以上の労働者を使用する事業場においては毎年1回ストレスチェックの実施が義務付けられた。このような背景もあり、メンタルヘルスに関する措置を受けられる職場の割合を100%とする目標が設定された。

しかし、直近値である平成30(2018)年の値は59.2%であり、明らかな増加傾向にあるものの、令和2(2020)年までに100%という目標値の達成は困難な状況である。

なお、事業場の規模別では、50人以上の事業場においてメンタルヘルスに関する措置を受けられる職場の割合は平成30(2018)年で90.7%であるが、30人〜49人の事業場では65.3%、10人〜29人の事業場では51.6%となっている。

(参考値:令和2年の値は61.4%(事業場の規模別では、50人以上の事業場で92.8%、30人〜49人の事業場では69.1%、10人〜29人の事業場では53.5%)、令和3年の値は59.2%(事業場の規模別では、50人以上の事業場で94.4%、30人〜49人の事業場では70.7%、10人〜29人の事業場では49.6%)となっている)

目標 小児人口10万人当たりの小児科医・児童精神科医師の割合の増加

子どものこころの健康は、子ども期はもちろんのこと、成人後の精神疾患発症予防の観点からも重要であることから、小児科医・児童精神科医の増加が目標として掲げられた。直近値は、小児人口10万人当たりの小児科医師の割合は平成30(2018)年に112.4、児童精神科医の割合は令和元(2019)年に17.3と明らかな増加傾向にあり、いずれも目標に達している。

(参考値:令和2年の小児人口10万人当たりの小児科医師数119.7、児童精神科医は19.1である。令和3年の10万人当たりの児童精神科医は20.2となっている。)なお小児人口は15歳未満人口を使用している。

本目標項目の指標が微増した要因には指標の分母である小児人口の減少も影響しているが、分子である小児科医及び日本児童青年精神医学会加入者数の内の医師会員数も増加している。