うつ病の認知療法・認知行動療法(患者さんのための資料)
認知療法・認知行動療法は、何か困ったことにぶつかったときに、本来持っていた心の力を取り戻し、さらに強くすることで困難を乗り越えていけるよう心の力を育てる方法として注目を集めている精神療法です。
〜出来事ー自動思考ー感情ー行動の相互関係に注目した方法です〜
「現実の受け取り方」や「ものの見方」を認知といいますが、認知に働きかけて、心のストレスを軽くしていく治療法を「認知療法・認知行動療法」といいます。
認知には、何かの出来事があった時に瞬間的にうかぶ考えやイメージがあり「自動思考」と呼ばれています。「自動思考」が生まれるとそれによって、いろいろ気持ちが動き行動することになります。ストレスに対して強い心を育てるためには「自動思考」に気付いて、それに働きかける事が役立ちます。
●気持ちは考え方に影響されます
例
一人で夜道に迷っている場面を想像してください。まわりには誰もいません。疲れが全身に広がります。このようなとき、どのような考えが浮かびますか?
「あの時も同じ失敗だった」「だめな私」「もっときちんと準備していたらこんなことにならなかったのに」と考えると、憂うつになります。
「道を教えてくれた人がウソを言ったのだろう」と疑いだすと、怒りがわいてきます。
「茂みから熊でも飛び出してきたらどうしよう」などと考えると、恐怖と不安が全身を襲います。
「ずいぶん歩いたのだから、もう少しで着けるのではないか」と考えると、気持ちが少し軽くなります。
遠くに灯りのついた家が目に入って「道が開ける」と考えると、希望がわいてきます。
この例から分かるように、同じ体験をしても、それをどのようにとらえ、考えるかで、そのときに感じる気分はずいぶん違ってきます。身体の反応や行動も違ってきます。認知療法・認知行動療法はあなたの考えをしなやかに、柔らかくして、あなたの気分を軽くしてストレスを減らす手助けをするのです。
※詳細は、うつ病の認知療法・認知行動療法マニュアル(平成21年度厚生労働省こころの健康科学研究事業「精神療法の実施方法と有効性に関する研究」)をご覧ください。
※厚生労働省のウェブサイト「みんなのメンタルヘルス」から認知行動療法を実施できるスタッフがいることを届け出ている医療機関のリストを見る事ができます。
ホーム>治療や生活へのサポート>認知療法・認知行動療法の届出医療機関について