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令和3年度「過労死等の労災補償状況」について②

精神障害に関する事案の労災補償状況

⑴請求件数は2.346件で、前年度比295件の増加。

うち未遂を含む自殺の件数は前年度比16件増の171件。

⑵支給決定件数は629件で前年度比21件の増加。

うち未遂を含む自殺の件数は前年度比2件減の79件。

⑶職種別の動向

・業種別(大分類)

請求件数は「医療、福祉」577件、「製造業」352件、「卸売業、小売業」304件の順で多い。

支給決定件数は「医療、福祉」142件、「製造業」106件、「卸売業、小売業」76件の順に多い。

・業種別(中分類)

請求件数、支給決定件数ともに業種別(大分類)の「医療、福祉」のうち「社会保険・社会福祉・介護事業」336件、82件が最多。

⑷職種別の傾向

・職種別(大分類)

請求件数は「専門的・技術的職業従事者」599件、「事務従事者」512件、「サービス職業従事者」353件の順で多い。

支給決定件数は「専門的・技術的職業従事者」145件、「事務従事者」106件、「サービス職業従事者」105件の順に多い。

・職種別(中分類)

請求件数、支給決定件数ともに職種別(大分類)の「事務従事者」のうち「一般事務従事者」373件、67件が最多。

⑸年齢別の傾向

請求件数は「40〜49歳」703件、「30〜39歳」556件、「20〜29歳」495件の順で多い。

支給決定件数は「40〜49歳」200件、「20〜29歳」153件、「30〜39歳」145件の順に多い。

⑹時間外労働時間別(1か月平均)の傾向

支給決定件数は「20時間未満」が73件で最も多く、次いで「80時間以上〜100時間未満」が44件

⑺出来事※別の傾向

支給決定件数は、「上司等から、身体的攻撃、精神的攻撃のパワーハラスメントを受けた」125件、「仕事内容・仕事量の(大きな)変化を生じさせる出来事があった」71件、「悲惨な事故や災害の体験、目撃をした」66件の順に多い。

※「出来事」とは精神障害の発病に関与したと考えられる事象の心理的負荷の強度を評価するために、認定基準において、一定の事象を類型化したもの。

裁量労働制対象者に関する労災補償状況

令和3年度の裁量労働制対象者に関する脳・心臓疾患の支給決定件数は2件で、いずれも専門業務型裁量労働制対象者であった。また、精神障害の支給決定件数は7件で、専門業務型裁量労働制対象者6件、企画業務型裁量労働制対象者1件であった。

■新型コロナウイルス感染症に関連する※脳・心臓疾患の支給決定件数は4件、精神障害の支給決定件数は18件であった。

※請求人が業務で新型コロナウイルス感染症に関連する出来事などがあったと申し立てたもの。

■複数業務要因災害※に関する脳・心臓疾患の決定件数は8件(うち支給決定件数2件)で、精神障害の決定件数は0件(うち支給決定件数0件)であった。

※事業主が同一でない二以上の事業に同時に使用されている労働者について、全ての就業先での業務上の負荷を総合的に評価することにより傷病との間に因果関係が認められる災害。