Well -being(ウェルビーイング)「良好な状態」
厚生労働省「雇用政策研究会報告書」2019年7月
「Well -being」とは、個人の権利や自己実現が保証され、身体的、精神的、社会的に良好な状態にあることを意味する概念であり、OECDが公表している「better life index」は、OECDが幸福に必要不可欠と特定している物質的な生活条件(住宅、収入、雇用)と生活の質(共同体、教育、環境、ガバナンス、医療、生活満足度、安全、ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の両立))(計11項目)から算出されている。
「就業面からのWell -beingの向上」とは、働き方を労働者が主体的に選択できる環境整備の推進・雇用条件の改善等を通じて、労働者が自ら望む生き方に沿った豊かで健康的な職業生活を送れるようになることにより、自らの権利や自己実現が保障され働きがいを持ち、身体的、精神的、社会的に良好な状態になることをさす。
世界保健機関憲章前文
Health is state of complete physical,mental and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity.
健康とは、病気ではないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、全てが満たされた状態にあることをいいます。
SDGs3
Good health and well-being(すべての人に健康と福祉を)
経済産業省「人材版伊藤レポート2.0」
健康への投資とWell -beingの視点の取り組み
本取組の概要
CEO・CHROは、社員の健康状況を把握し、継続的に改善する取組を、個人と組織のパフォーマンスの向上に向けた重要な投資と捉え、健康経営への投資に戦略的かつ計画的に取り組む。その際、社員のWell -beingを高めるという視点も取り込んでいく。
※CHROとは、経営陣の一員として人材戦略の策定と実行を担う責任者であり、社員・投資家を含むステークホルダーとの対話を主導する人材を指す。
厚生労働省 2022年度 雇用政策研究会「議論の整理」
課題4:「豊かな人生を支える健康的な職業生活の実現」
●コロナ禍では労働者のウェル・ビーイングにも様々な影響が見られた。多くの労働者が休業を経験しており、こうした休業経験は、収入の減少だけでなく、休業者のメンタルヘルスの悪化や生活の満足度を低下させることとなった。
●また、テレワークを中心とした柔軟な働き方の広まりにより、メンタルヘルスの改善やワーク・ライフ・バランスの向上がみられた一方、労働者によっては、人との接する機会の減少などにより、一定程度のメンタルヘルスの悪化という側面もあったことも考えられる。特に新卒・中途採用など、職場へのスムーズな適応が望まれる労働者にとっては、テレワークを通じた業務実施はOJTを通じた人材育成や同僚との関係構築に支障となったことも想定される。こうした方々のウェル・ビーイングや定着率が低下することのないように、個々のおかれた状況に応じた支援を行っていく必要がある。
●加えて、コロナ禍では、生活時間と仕事の両立にも影響がみられている。感染拡大に伴う緊急事態宣言等の発令により、子供を預けている保育所等で休園が行われると、テレワークであっても仕事を調整して、育児を行う必要が生じるなど、結果として家事・育児の時間の増加が見られることとなった。このように柔軟な働き方の下での家事、子育て、介護等も含む生活時間と仕事の両立の難しさや家庭内での男女間の格差についても認識されている。また、睡眠などの健康状態と企業業績に関係性があることも指摘があり、仕事以外の環境も含めた労働者のウェル・ビーイングの向上を図っていくことが重要である。
孤独・孤立対策の重点計画 令和3年12月28日 孤独・孤立対策推進会議決定
現行の社会保障制度が現金給付や現物給付を中心とする中で、孤独・孤立の問題を抱える当事者や家族等の精神的な支援の充実も重要である。
政府の孤独・孤立対策においては、孤独・孤立の問題を抱える当事者や家族等を支援の場や疎外感が強い関係に形式的につなぐことでは十分でなく、当事者や家族等が相談できる誰かや信頼できる誰かと対等につながっているという形で人と人との「つながり」を実感できることが重要であり、このことは孤独・孤立の問題の解消にとどまらずウェルビーイング(Well-being人の幸福感)の向上にも資するという考え方の下で、施策を推進する。