日本酒をめぐる状況
1 酒類別の国内出荷量の推移
・アルコール飲料全体の国内出荷量は、消費者志向の変化等により、酒類間での移動を伴いながら、全体では減少傾向で推移。令和元年度では865万㎘となっている。
・近年では、日本酒、焼酎、ビールなどが減少する一方で、チューハイなどのリキュール、ウイスキーなどは増加している。
2 日本酒の国内出荷の状況
・日本酒の国内出荷量は、ピーク時(昭和48年)には170万㎘を超えていたが、他のアルコール飲料との競合などにより減少傾向で推移。平成30年以降は国内出荷量の減少幅が大きくなり、これまで堅調に推移していた特定名称酒(吟醸酒、純米酒等)についても減少に転じ、令和2年では42万㎘程度まで減少。
・令和2年については、新型コロナウイルス感染症拡大の影響等により、業務用の日本酒を中心に国内出荷量が対前年比▲10%と減少。特に、酒造好適米を多く使用する特定名称酒は対前年比▲14%と大幅に減少。
・令和3年(1〜7月)においても国内出荷量は前年同期比▲3%減少し、特定名称酒は前年同期比▲4%減少しており、今後の動向に注視が必要。
3 日本酒の輸出の状況
・日本酒の国内出荷量が減少傾向にある中、輸出については、海外での日本食ブーム等を背景に増加傾向にあったが、令和2年については、新型コロナウイルス感染症の世界的なまん延等の影響により、8月までの輸出量が大幅に減少し、9月以降回復したものの、年間トータルでは約22千㎘(前年比▲13%)と減少。
令和3年9月 農林水産省 農産局