都市部と地方をつなぐ障害者テレワーク事例集
労働者がICT(情報通信技術)を利用して行う事業場外勤務(この事例集では「テレワーク」といいます。)は、時間や場所に縛られない柔軟な働き方であり、テレワークの活用は、通勤が困難な方の就業や、子育て、介護などとの両立、多様な働き方の推進という観点からも、有効な雇用機会の確保につながり得るものです。
これまで、厚生労働省においては、企業における障害者のテレワークの導入支援、導入に係るガイドブックの整備や好事例の収集・展開等を行ってきましたが、情報通信技術の利活用等により、仕事の質は十分に担保され得ることの理解は広まりつつあり、具体的な活用事例も生まれています。
しかし、障害者の求人・求職状況をみると、未だ都市部では求人が多い中でその充足率が比較的低く、地方では求人が比較的少ない中でその充足率が高い傾向にあることから、地方の就業希望者と都市部の企業をテレワークによる在宅雇用でマッチングすることへの期待が高まっているところです。地方在住の障害者が都市部の企業に雇用されてテレワークを行う場合、企業と障害者、地域の就労支援機関との間に物理的な距離があることから、相互の連携をどのように生み出し、維持していくかが重要です。テレワーカーの募集・採用の支援から、採用後の日々の体調把握や業務に起因する困りごとの解消、関係機関との連絡調整など、きめ細かな対応が求められる場面が多く、これまでの職場に通勤する障害者に対する支援では就労支援機関に求められなかった様々な役割が生じる可能性があります。
そこで、本事例集では、地方在住の障害者をテレワーカーとして雇用する企業と、その企業でテレワーカーとして働く障害者の支援を行う就労支援機関に、採用の準備段階から就職後の定着支援・雇用管理などについてインタビューを行い、全7事例を掲載しています。また、地方の障害者をテレワーカーとして雇用する場合も、労働基準関係法令の適用や労務管理上の留意点は通常のテレワークと同様ですが、完全な在宅勤務で障害者を雇用することが前提となっている際に特に留意すべき事項についてもポイントとしてまとめています。
これらの事例や事例やノウハウを参考にし、企業と支援機関が相互に連携・協力しながら、障害のあるテレワーカーが能力を最大限に発揮できる働き方が拡大することが期待されています。
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