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スーパーコンピュータ「富岳」を活用した研究課題の2021年ゴードン・ベル賞COVID-19研究特別賞について

報道発表 文部科学省 令和3年11月19日

スーパーコンピュータ「富岳」を活用し、理化学研究所計算科学研究センター複雑現象統一的解法研究チーム 坪倉 誠チームリーダー(神戸大学大学院システム情報学研究科教授)をはじめとした共同研究グループが実施した、COVID-19の飛沫・エアロゾル拡散モデルを構築する研究課題が、ゴードン・ベル賞COVID-19研究特別賞を受賞しましたのでおしらせします。(同旨発表:理化学研究所・神戸大学)

●スーパーコンピュータ「富岳」

スーパーコンピュータ「富岳」は、我が国の科学技術の発展、産業競争力の強化に資するための最先端の研究基盤として、世界最高水準の汎用性のあるスーパーコンピュータの実現を目的として平成26年度より開発を開始しました。

昨年4月からは、整備中の「富岳」を活用して緊急的に新型コロナウイルス感染症対策に貢献する研究課題を実施し、その高い性能を活用したシミュレーションにより得られた成果が感染症対策の検討に活用されてきました。

当初は、今年度の共用開始を目標に整備が進められていたところですが、新型コロナウイルス感染症への対応を含め、我が国が直面する課題の解決や科学技術の発展、産業競争力の強化へ可能な限り早期に貢献していくため、当初予定を前倒し、昨年度末(今年3月9日)に共用を開始しました。

共用開始後は、一般・産業利用課題をはじめとする課題で利用が開始されているほか、昨年度、試行的に実施してきた「富岳」成果創出加速プログラムの本格的な利用が開始されるなど、早期の成果創出に向けて様々な取り組みを進めています。

●ゴードン・ベル賞

ゴードン・ベル賞は、スーパーコンピュータを用いた科学技術分野の研究の中で、その年に最も顕著と認められた研究に対して、米国計算機学会(ACM)が授与する賞で、COVID-19研究特別賞は2020年に設けられたものです。

なお、本賞受賞者は、米国で開催されているハイパフォーマンス・コンピューティング(HPC)に関する国際会議SC21(オンライン併用)において、11月19日3:15(日本時間)に発表されました。

●研究実施

文部科学省では、昨年4月より、整備中の「富岳」の一部計算資源を活用し、新型コロナウイルス研究・対策を目的とした研究課題を実施いたしました。本研究は、当該利用の中で創出された成果となります。

なお、この他、本研究は、「内閣官房」の実施する「スマートライフ実現のためのAI等を活用したシミュレーション調査研究」事業等の研究支援を受けて実施されています。

※詳細は、同日付の理化学研究所・神戸大学の発表資料をご覧ください。