メンタルヘルス推進担当者
労働者の安全を守り、健康障害の発生を防ぐことを目的として制定された労働安全衛生法第70条の2第1項の規定に基づく指針として、2006年3月に「労働者の心の健康の保持増進のための指針」が示され、職場におけるメンタルヘルス対策が、法令の面からも求めらるようになりました。
指針では4つのケアの中の「事業場内産業保健スタッフ等によるケア」に関し、事業者が講じる措置として5項目を挙げていますが、その1つが「事業場内メンタルヘルス推進担当者」の選任です(努力義務)。指針では、事業場内メンタルヘルス推進担当者を「産業医等の助言、指導等を得ながら事業場のメンタルヘルスケアの実務を担当する」者として位置づけ、衛生管理者や常勤の保健師等から選任することを勧めています。ただし、すべての事業場で選任されることが望ましいため、50人未満の規模や、保健師・看護師等不在の事業場では人事労務管理スタッフを充てることも想定されています。
※4つのケア
●セルフケア
労働者自らが心の健康保持増進のために行う活動
●ラインによるケア
管理監督者が部下である労働者の心の健康の保持増進のために行う活動
●事業場内産業保健スタッフ等によるケア
事業場内産業保健スタッフ等(産業医、衛生管理者、衛生推進者、保健師等)が労働者の心の健康の保持増進のために行う活動
●事業場外資源によるケア
事業場外の様々な機関が事業場に対して心の健康づくり対策を支援する活動
事業場内メンタルヘルス推進担当者の役割
事業場内メンタルヘルス推進担当者の主な役割は、次の4点です。
⑴心の健康づくり計画の策定・労働者への周知・実行状況の把握の実務
⑵セルフケア、ラインによるケアを推進するための労働者教育、管理監督者教育の計画・立案・実施・評価の実務
⑶事業場内のメンタルヘルスに関する相談窓口
⑷事業場外資源との連携の窓口
尚、事業場内メンタルヘルス推進担当者には、教育や相談そのものを直接担当することまでは求められておらず、事業場内で行われるメンタルヘルス対策がスムーズに推進されるよう調整する機能を果たすことが求められています。
「職場のあんぜんサイト」より