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THP(トータル・ヘルスプロモーション・プラン)指針改正のポイント

事業場における労働者の健康の保持増進については、昭和63年に、労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)第70条の2第1項の規定に基づき、事業場における労働者の健康保持増進措置を推進するため、事業場における労働者の健康保持増進のための指針(昭和63年健康保持増進のための指針公示第1号。以下「THP指針」という。)を策定し、THP指針に沿った取組を普及してきました。

一方で、THP指針策定から30年以上が経過し、産業構造の変化や高齢化の一層の進展、働き方の変化など、日本の社会経済情勢が大きく変化していく中で、事業場における健康保持増進対策についても見直しの必要が出てきていました。そのため、令和2年3月に、事業場における健康保持増進対策をより推進する観点から、THP指針を改正しました。また、令和3年2月に、医療保険者と連携した健康保持増進対策がより推進されるよう、更に改正しました。

THP指針改正のポイント

●THP指針の令和元年度(令和2年3月)の主な改正ポイントは、次の3つです。

従来の労働者「個人」から「集団」への健康保持増進措置の視点を強化

改正後のTHP指針では、これまでよりも幅広い労働者の健康保持増進の促進を目指しています。具体的には、すでに生活習慣上の課題がある労働者だけではなく、すぐには生活習慣上の課題が見当たらない労働者やより良い生活習慣や健康状態を目指す労働者も対象に含まれます。また、個々の労働者に限らず、一定の集団に対して活動を推進できるように「ポピュレーションアプローチ」の視点を強化しています。

事業場の特性に合った健康保持増進措置への見直し

改正後のTHP指針では、事業場の規模や業務内容、労働者の年齢構成などの特性に応じて、柔軟に健康保持増進措置の内容を検討し、実施できるように見直されています。

健康保持増進措置の内容を規定する指針から、取組方法を規定する指針への見直し

改正後のTHP指針では(上記「事業場の特性に合った健康保持増進措置の見直し」のとおり)指針に基づく措置内容を柔軟化しました。一方で、PDCAサイクルの各段階において事業場で取り組むべき項目を明確にし、事業場が健康保持増進対策に取り組むための「進め方」を規定する指針へ見直されています。

●THP指針の令和2年度(令和3年2月)の主な改正ポイントは、次のとおりです。

医療保険者と連携した健康保持増進対策

医療保険者と連携したコラボヘルスの推進が求められています。健康保持増進措置として労働者の健康状態を把握する際には、定期健康診断の結果などを医療保険者に提供する必要があること、そのデータを医療保険者と連携して事業場内外の複数の集団間のデータと比較した取組の決定などに活用することが望ましいことが明確化されました。

※職場における心とからだの健康づくりのための手引き(2021年3月)より

「THPは、事業主が中心となって、個人の生活習慣を見直し、継続的で計画的な健康づくりをすすめることで、働く人がより健康になることを目標にしています。THPをすすめる場合、研修を終了した産業医が健康測定を行い、その結果に基づき4つの健康指導(運動指導、保健指導、メンタルヘルスケア、栄養指導)等をTHPのスタッフが行います。THPスタッフをすべて事業場内に揃えるか労働者健康保持増進サービス機関・指導機関を活用する事により、健康づくりが行えます。THPスタッフの養成のために、中央労働災害防止協会が研修会を開催しています。(こころの耳)より」

THPの具体的なすすめ方については厚生労働省の指針をご覧ください。