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人間中心のAI社会原則(平成31年3月29日 統合イノベーション戦略推進会議決定)

基本理念

AIは、Society5.0の実現に大きく貢献することが期待される。我々は、単にAIの活用による効率性や利便性から得られる利益が人々や社会に還元されることにとどまらず、AIを人類の公共財として活用し、社会の在り方の質的変化や真のイノベーションを通じて、SDGsなどで指摘される地球規模の持続可能性へとつなげることが重要と考える。

我々は、以下の3つの価値を理念として尊重し、その実現を追求する社会を構築していくべきと考える。

⑴人間の尊厳が尊重される社会(Dignity)

我々は、AIを利活用して効率性や利便性を追求するあまり、人間がAIに過度に依存したり、人間の行動をコントロールすることにAIが利用される社会を構築するのではなく、人間がAIを道具として使いこなすことによっって、人間の様々な能力をさらに発揮することを可能とし、より大きな創造性を発揮したり、やりがいのある仕事に従事したりすることで、物質的にも精神的にも豊かな生活が送ることができるような、人間の尊厳が尊重される社会を構築する必要がある。

⑵多様な背景を持つ人々が多様な幸せを追求できる社会(Diversity & Inclusion)

多様な背景と価値観、考え方を持つ人々が多様な幸せを追求し、それらを柔軟に包摂した上で新たな価値を創造できる社会は、現代における一つの理想であり、大きなチャレンジである。AIという強力な技術は、この理想に我々を近づける一つの有力な道具となりえる。我々はAIの適切な開発と展開によって、このような社会のありかたを変革していく必要がある。

⑶持続性ある社会(Sustainability)

我々は、AIの活用によりビジネスやソリューションを次々と生み、社会の格差を解消し、地球規模の環境問題や気候変動などにも対応が可能な持続性のある社会を構築する方向へ展開させる必要がある。科学・技術立国としての我が国は、その科学的・技術的蓄積をAIによって強化し、そのような社会を作ることに貢献する責務がある。