ブログ

ブログ

摂食障害治療支援センター設置運営事業(課題について)

課題

摂食障害治療支援センター設置運営事業が平成26年度から開始され、6年経っているものの、治療支援センターは、現在のところ47都道府県のうち4自治体での設置に止まっている。摂食障害全国基幹センター(摂食障害全国支援センター)が開設しているホームページのアクセス数も非常に多いことからも、摂食障害に関する医療・支援ニーズの高さがうかがわれるが、それと比較して、専門医療機関・専門医の少なさは引き続き課題となっている。

実際には、この4箇所の治療支援センターに全国の患者本人や家族からの相談が集中しており、摂食障害に関する新規相談件数のうちの約3分の1は治療支援センターを設置している自治体外からの相談となっている。

各自治体において治療支援センター設置が進まない主な理由については、昨年度、全都道府県を対象に実施したアンケート(「4.摂食障害治療支援センターに係る事業実施に関するアンケート」)結果のとおりであるが、そもそも摂食障害に対して効果的な治療方法の普及がなかなか進まず、医療機関において摂食障害の患者の治療に苦慮していることも課題となっていると考えられる。既に外来の予約が数ヶ月待ちという状況にある4箇所の治療支援センターのみで摂食障害の治療、回復支援を担うのは困難であり、摂食障害の診療に協力できる医療機関の確保も急務となっている。

摂食障害は長期間の治療を要する疾患のため、居住地に近い医療機関で相談・治療が受けられるよう治療支援ネットワークの充実が求められている。

※4.摂食障害治療支援センターに係る事業実施に関するアンケートより

指定予定がない理由(未指定の自治体:複数回答可)

・財源が確保できない 17

・国の実施要綱上の指定要件が厳しい 3

・引き受けてくれる医療機関がない 8

・摂食障害について対応のノウハウがない 6

・地域医療計画等の補助金以外の仕組みで十分対応できている 4 等

※厚生労働省における摂食障害対策(摂食障害治療支援センター設置運営事業)より