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摂食障害について

■患者数(推定)

●摂食障害患者数:約220000人(平成29年度精神保健福祉資料)

●神経性やせ症:12.674人

(低体重でも食事量の制限や嘔吐等、痩せるための行動をとる)

神経性過食症:4.612人

(適正又は過体重であるが、頻繁に過食し、嘔吐等の痩せるための行動をとる)

過食性障害:1.145人

(過食するが、痩せるための行動を取らない)

(平成28年度 厚生労働省科学研究費補助金 障害者政策総合研究事業「摂食障害の診療体制整備に関する研究」)

●女子中学生の100人に1〜2人、男子中学生の1000人に2〜5人

平成21年度 障害者総合対策研究事業「児童・思春期摂食障害に関する基盤的研究」)

■治療を受けていない患者が多い

●保健所や学校、摂食障害支援センター相談事例の調査で約半数の患者が治療を受けていない。

●保健所・保健センターの相談事例のうち治療中断は29.8%、未受診は19.2%であった。

●神経性やせ症が疑われる生徒のうち1/3〜1/2が医療機関を受診していない。

■症状

●精神症状として多いのは、肥満への恐怖・体重や体型へのこだわり、自己誘発性嘔吐、下剤・利尿剤などの乱用、むちゃ食いの反復など

●身体症状として脱水、お腹の張り、低血圧などがあり、病状によっては、生命の危険があるときもある

■治療

●規則正しい食事摂取、食事摂取に対する不安や葛藤の傾聴、カウンセリング、精神療法、薬物治療法等の組み合わせ

●身体症状もあるため、心療内科、内科との連携が必要である

●症状の悪化があった場合には入院治療となる

■課題

●疫学

・患者数の実態把握が困難

・患者の低年齢化、及び高齢化が問題視されている

・回復率が50〜60%である一方、50%が回復するのに4〜5年かかり、死亡率も10%と高いという報告もある

●治療

・精神症状のほか、身体症状も認めるため、他科横断的な治療が必要となる

・治療方法としてガイドラインは策定されているが、エビデンスとして不十分の面もあるといわれている

・上記状況のため、専門医の数が不足している

「摂食障害治療ガイドライン」より

※第2回摂食障害対策連携協議会 令和3年2月21日資料より

※摂食障害全国支援センター(国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター)では、HPを用いて摂食障害に関する情報発信や普及啓発を行っています。