ブログ

ブログ

子ども家庭福祉に関し専門的な知識・技術を必要とする支援を行う者の資格の在り方その他資質の向上策に関するワーキンググループ

子ども家庭福祉の分野(児童虐待防止)で、新たな資格を創設する検討が行われています。令和3年2月2日に「子ども家庭福祉に関し専門的な知識・技術を必要とする支援を行う者の在り方その他資質の向上策に関するワーキンググループ とりまとめ」が公表されています。

資格創設の考え方

子ども家庭福祉分野は、子どもの発達状況や支援する世帯全体の状況といった複雑で複合的な課題への対応が求められる分野である。こうした特性に鑑み、子ども家庭福祉分野に従事する職員は、専門的かつ幅広い視点で家庭や社会に働きかけるための基盤となる知識や、専門的な知識・技術及び態度を身につけることが不可欠である。

ここで、子ども家庭福祉分野独特の専門性としては、子どもは自ら意見表明することが難しい存在であることを踏まえた権利擁護、子どもの発達をとらえる視点、子どもの自立を見通す視点、家庭全体を見据えた虐待予防の視点、親子の分離などの権利制限を伴う介入的ソーシャルワーク、家庭裁判所をはじめとした少年保護機関等との連携、家庭や学校など子どもを中心とした環境に働きかけるソーシャルワーク、里親の養成や里親家庭への支援といった要素がある。

このため、子ども家庭福祉に関する専門的な知識・技術を有することを客観的に評価し、専門性を共通に担保できる仕組みとして資格の創設を検討すべきである。

なお、

・大学等の養成校では、子どもに特化した科目は少なくても、社会福祉士・精神保健福祉士の養成課程全体を通して子ども家庭福祉分野にも応用できるソーシャルワークの基礎を学ぶことができ、また、国家資格の養成課程以外の科目を含む教育課程の全体を通して子どものことも学べるようにしている

・子どもに特化して学ぶのみでなく、家庭や社会に関する内容を幅広く学ぶことが重要である

との意見があった。

加えて、単に資格を創設すれば必要十分な専門性が担保されるものではなく、任用後の研修・実習等を通じて支援の現場で通用する技術や態度を継続的に養成していくことや、有資格者への適切な評価を通じて専門職のキャリアアップに活かせる仕組みとしていくことなど、各施策を資質向上策の全体像の中に位置付け、連動させていくことが重要である。