どんな仕事?
動物園で動物の飼育や繁殖のための様々な作業を行う。具体的には、担当する動物の毛のつや、動き、におい、餌の食べ残しや糞の状態を観察し、健康状態をチェックすることや、運動場に出して動物舎を掃除すること、動物の生育段階や健康状態に合わせて、飼料の配合・調理を行い、餌をつくることなどが業務である。なお、あらかじめ栄養を考えて調合された固形飼料(ペレット)が普及し、餌づくりの作業が簡単になっている。餌は夕方に与えることが多いが、朝夕2回与える動物もいる。
また、動物舎の修理をしたり、病気の治療や予防接種を獣医と一緒に行ったりするのも重要な業務である。午後3時過ぎには、餌を動物舎に置いて動物を入れ、運動場を掃除する。1日の終わりには飼育日誌を書き、特に体調の異常などは細かく記録する。
最近では、絶滅の危機に面している「希少動物」を上手に繁殖させて、種の保存に努めるという役割も大きくなっている。また、動物が持つ野生本来の行動を引き出すことのできるような飼育環境を整える取組(環境エンリッチメント)も飼育員の大切な仕事になっている。更に来園者を増やすため、イベントを開催したり、動物本来の生態を見せる「行動展示」など様々な方法で展示したり、人気の高い動物や希少動物を全面に打ち出して動物園の特徴をPRするなど様々な企画・運営も行なっている。
就業するには?
入職にあたって、特に学歴や資格は必要とされないが、高校の畜産科、農業科、動物系専門学校、大学の農学部の畜産系学科、理学部の動物学系学科などの卒業者が多い。
公営の動物園の場合は、地方自治体の人事部局が採用試験を行なっている。地方公務員採用試験で採用する場合と、動物園飼育職員募集として別に試験を行う場合がある。民営や自治体から委託を受けた法人の場合は、独自に採用試験を行なっている。いずれの場合も定期採用を行うことは少なく、欠員が生じた場合に募集を行うことが多い。
動物に対する愛情、異常や変化を見逃さない注意力や観察力が必要である。また、地球環境の変化により、多くの動物が絶滅の危機にある現在、絶滅危惧種の保存において動物園が果たす役割は大きく、その役割への使命感も求められる。
※午(うま)年だけにうまくいきますように