改正の趣旨
持続可能な医療保険制度の実現に向けて、必要な保険給付等の適切な実施と世代間や世代内での負担の公平性の確保を図るため、一部保険外療養の創設、後期高齢者医療における金融所得の保険料等への勘案、出産に係る給付体系の見直し、国民健康保険における子どもに係る均等割保険料等の軽減の拡充等の措置を講ずるほか、医療機関の業務効率化と勤務環境改善の取組等に係る措置を講ずる。
改正の概要
1 より公平な負担の実現、効率的な給付の確保(健康保険法、国民健康保険法、高齢者の医療の確保に関する法律等)
①OJT医薬品との代替性が特に高い薬剤を用いた療養等について、薬剤費の一部を保険給付外とする一部保険外療養を創設する。
②後期高齢者医療において、上場株式の配当等の金融所得を保険料の算定や窓口負担割合等の判定に反映するため、金融所得の支払いに係る報告書等(法定調書)を金融機関等がオンラインにより後期高齢者医療広域連合へ提出する義務等を設ける。
2 出産等の次世代支援や現役世代からの予防・健康づくりの拡充(健保法、船員保険法、国保法、母子保健法等)
①出産に伴う妊婦の経済的負担を軽減するため、出産の標準的な費用に係る給付体系の見直し等を行う。
②妊婦健診に伴う妊婦の妊婦の経済的負担を軽減するため、妊婦健診(望ましい基準内)の実施に係る標準額を定める等の環境の整備をするほか、サービス及び費用の見える化を進める。※こども家庭庁所管事項
③国民健康保険制度において、子どもに係る均等割保険料(税)の5割を軽減する措置の対象を、未就学児から高校生年まで拡充する。
④現役世代の予防・健康づくりを強化するため、全国健康保険協会が取り組む保健事業に関する責務を明確化する。
3 必要な医療の確保(健保法、地域における医療及び介護の総合的な確保の促進に関する法律、医療法等)
①高額療養費の支給要件等を定める際には、特に長期療養者の家計への影響が適切に考慮されるよう、法律上明確化する。
②業務効率化・勤務環境改善に取り組む医療機関を支援する新たな事業を地域医療介護総合確保基金に設けるほか、計画を作成し業務効率化・勤務環境改善を推進する病院を厚生労働大臣が認定する仕組みを設ける。併せて、医療機関は業務効率化・勤務環境改善に努めるものとする。
4 その他(健保法、国保法、高確法等)
①全国健康保険協会の平均保険料率の引き下げとあわせ、令和8年度から令和10年度までの時限措置として、全国健康保険協会への国庫補助に係る特例減額の控除額を引き上げる特例措置を講じる。
②国民健康保険組合に対する国庫補助について、一定の場合に、現行の補助率の下限よりも低い補助率を例外的に適用する。
③国民健康保険の財政安定化基金(本体基金分)について、納付金(保険料)の抑制のための取崩しを認める。 等
施行期日
令和9年4月1日(ただし、2④及び4①は公布日、3①は令和8年8月1日、3②の一部は令和9年1月1日、1①は公布後1年以内に政令で定める日、2①及び②は公布後2年以内に政令で定める日、1②は公布後5年以内に政令で定める日等)