今後の人材開発政策の在り方に関する研究会 報告書(概要)若者等

若者
⚫︎若者の職業意識については、自分の時間を持ち生活と両立できることや、休みを取りやすい、在宅勤務が可能など柔軟な働き方ができることを重視する志向が確認できる。
⚫︎若者の有効求人倍率の高さや職業意識の変化により、労働移動が以前よりも容易に行われる状況が想定されるが、転職に当たって職業に関する情報収集を行う者が少ないなど、キャリアプランを持たない若者が多く、労働移動が必ずしも職業能力の向上につながらない懸念がある。
⚫︎若者がキャリア形成意識の醸成に課題を抱える局面において、企業が人材育成の計画等を策定し、キャリアに関する相談の機会の提供を行うなど従業員に寄り添った取組をすることが有効。
⚫︎若者のキャリア意識の醸成には、若者同士の横のつながりを作ることが重要。
⚫︎不登校児童生徒数が大きく増加するなど、就労に当たって困難を抱える一定の層が確認でき、今後も増えていくことが懸念される。

<今後の取組>
⚫︎在学段階からのキャリアに関する相談の機会の提供
⚫︎ユースエール認定制度の活用を通じて企業による人材育成の計画等の策定を促すため、方策を講じること
⚫︎キャリア形成意識の醸成のため、地域の同業種の中での若者同士の横のつながりの促進
⚫︎就労に当たって困難を抱える者について、専門家による支援の強化や学校をはじめ多様な主体と連携したアウトリーチを含めた支援の充実

非正規雇用労働者
⚫︎非正規雇用労働者について、正社員と比べて企業からの能力開発機会が乏しく、育児等の理由から30代以降で非正規雇用を選択する女性も多い中、継続的な能力開発機会の確保が課題。
⚫︎一方、人材不足の対応として非正規雇用労働者の積極的な活用を進める対応が行われている状況も確認でき、人材開発の重要性が高い。
⚫︎非正規雇用労働者は、仕事以外に時間を割きたい人が多くを占めていることから、オンライン訓練を組み合わせた方法を効果的・効率的に行うことが求められ、試行事業を実施しているところ。

<今後の対応>
⚫︎試行事業を踏まえたオンライン訓練の実施を行う際には、委託可能な教育訓練機関の地域偏在の状況を踏まえて、都道府県による委託訓練に加えてJEEDを通じた全国展開を検討

中高年労働者
⚫︎65歳以上の就業率が上昇しているなど、職業人生が長期化している。
⚫︎OFF-JTの受講率、自己啓発の実施率ともに20代をピークとして年齢があがるにつれて低下していく。
⚫︎中高年労働者は、組織内における役割の変化や、能力開発機会の減少、デジタル化など時代の変化への対応が求められてくる。
⚫︎JEEDの生産性向上支援訓練(ミドルシニアコース)では、「役割の変化への対応コース」「技能・ノウハウ伝承コース」を実施。
⚫︎初期段階の職業能力形成に焦点を当てた、実習機会との組み合わせ訓練である認定実習併用職業訓練への助成は、45歳未満に制限されているが、職業人生が長期化する中で、中高年労働者においても職種を変更し新たなスキルを獲得することが増えていくことも考えられる。
⚫︎同じ企業に継続して勤務する労働者であっても勤務している企業を離れた視点を持つことや、同世代との企業を超えた横のつながりをもつことが大切。

<今後の取組>
⚫︎組織における役割の変化など中高年が直面する課題に対する取組は今後も継続して充実
⚫︎人材開発支援助成金の対象となる認定実習併用職業訓練について、年齢制限の見直し
⚫︎所属する組織を超えて学ぶ越境学習や、横のつながりの機会の提供を念頭に置き、中高年労働者のキャリア形成支援の方策を検討

令和7年7月7日

参考
女性の職業生活における活躍の推進に関する基本方針(令和7年11月25日閣議決定)
⚫︎配置・育成・教育訓練
企業内の配置において性別の偏りが見られる。また、教育訓練に当たり、OffーJTを受講した労働者の割合は、男性の方が女性よりも高い状況にある。さらに、管理職が、子育て中の女性に責任のある仕事を任せられないという思い込みでマネジメントを行い、女性が重要な仕事が経験できずキャリア形成ができないといった状況も考えられる。このような状況を踏まえれば、男女間における教育訓練の機会の平等が適切に確保されるよう、留意していくことが必要である。
このため、女性が男性と同様に幅広い経験や専門性を高められるような配置や、女性が将来的な育成に向けた教育訓練を受講できるような環境整備や長期的なキャリア形成に向けた取組のほか、出産・子育て期においても重要なポストで能力を発揮し、継続して働き続け、管理職や役員を目指す道を選択できるよう、マネジメントを行う管理職の意識改革に加え、長時間労働の是正等の働き方改革を併せて実施することも必要である。

そうだ。近いうちに本屋さんに行こう。

本屋さんに行くとトイレに行きたくなる現象は「青木まりこ現象」とも呼ばれています。原因は解明されていませんが、インクや紙の匂いに誘発されるという説があります。その他、リラックス効果、条件反射、プレッシャーや不安という説等もあります。大型書店に多いそうです。