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脳・心臓疾患の労災認定基準が改正されました

厚生労働省は、脳・心臓疾患の労災認定基準を改正し、「血管病変等を著しく増悪させる業務による脳血管疾患及び虚血性心疾患等の認定基準」として、9月14日付で厚生労働省労働基準局長から都道府県労働局長宛てに通知しました。

脳・心臓疾患の労災認定基準については、改正から約20年が経過する中で、働き方の多様化や職場環境の変化が生じていることから、最新の医学的知見を踏まえて、厚生労働省の「脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会」において検証などを行い、令和3年7月16日に報告書が取りまとめられました。

厚生労働省は、この報告書を踏まえて、脳・心臓疾患の労災認定基準を改正したものであり、今後、この基準に基づいて、迅速・適正な労災補償を行なっていきます。

改正のポイント

●業務の過重性の評価

🔹改正前の基準を維持

長時間の過重業務

労働時間

・発症前1か月間に100時間または2〜6か月間平均で月80時間を超える時間外労働は、発症との関連性は強い(※)

・月45時間を超えて長くなるほど、関連性は強まる

・発症前1〜6か月間平均で月45時間以内の時間外労働は、発症との関連性は弱い

労働時間以外の負荷要因

・拘束時間が長い勤務

・出張が多い業務など

🔹新たに認定基準に追加

長時間の過重業務

■労働時間と労働時間以外の負荷要因を総合評価して労災認定することを明確化

上記(※)の水準には至らないがこれに近い時間外労働➕一定の労働時間以外の負荷

→業務と発症との関連が強いと評価することを明示

■労働時間以外の負荷要因を見直し

・勤務間インターバルが短い勤務

・身体的負荷を伴う業務など

→評価対象として追加

短時間の過重業務・異常な出来事

■業務と発症との関連性が強いと判断できる場合を明確化

→「発症前おおむね1週間に継続して深夜時間帯に及ぶ時間外労働を行うなど過度の長時間労働が認められる場合」等を例示

●対象疾病:認定基準の対象疾病に「重篤な心不全」を追加

※厚生労働省HPホーム>報道・広報>報道発表資料>2021年9月>脳・心臓疾患の労災認定基準を改正しました